再び、オフィスへ<br/>Back to the office

特集

再び、オフィスへ
Back to the office

 コロナ禍で働き方の選択肢が増えるなか、従来ワーカーにとって働く場であったオフィスの再定義が求められています。在宅勤務やリモートワークといったワークスタイルの急速な変化は、オフィスの床面積を減らし、オンライン上の仮想空間にオフィス機能を移す動きを加速させています。
 「もう、オフィスはいらない」。そんな声もささやかれつつある今、組織の創造性を誘発し、社内外との交流を促進してきたオフィスの機能や役割はどう変わっていくのでしょうか。
 オフィスワークとリモートワークを併用しながら働くハイブリッドなワークスタイルが「新たな日常」として定着しつつあるなか、働く場=オフィスという定義にとどまらず、ワーカーのニーズの変化も踏まえて、これからのオフィスに求められる視点や社会とオフィスの新たな距離感などを考えます。

Vol.2162022年03月01日 発売
定価:1,800円
表紙:竹田嘉文(イラスト)、 橋本健一制作事務所(CG)

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020

インタビュー ケヴィン・ケリー

オフィスにプロトピアを創造する

「理想のオフィス」なるものは存在するのか。未来に理想の社会は待っているのか。雑誌「ワイアード」創刊編集長のケヴィン・ケリーは、そんな問いに「否」と答える。未来にユートピアは存在しない。あるのは変化だけであり、「プロトピア」—進歩し続けるプロセスこそがわれわれの向かうべき方向なのだと。ビジョナリーと呼ばれる氏に、これからのオフィスのあるべき姿について語ってもらった。

オフィスにプロトピアを創造する

024

新しいオフィスのタイポロジー
―Studio O+A

オフィスにおける新しい行動様式は、実際のオフィスの姿をどう変えているのか?
具体的な例をテクノロジー企業や新しい働き方を進める企業を数多くクライアントに持つStudio O+Aに尋ねた。

新しいオフィスのタイポロジー<br/>―Studio O+A

027

アメリカ・西海岸のRIOSによるアクティブなオフィスの姿

これからのオフィスはどう設計され、どう使われるのだろうか?デザイン事務所、ライオスのプロジェクトには、使い手によってさまざまに変わるオフィスの姿と、ちょっとした工夫で使い勝手を劇的に変えることができるヒントがある。

アメリカ・西海岸のRIOSによるアクティブなオフィスの姿

030

ヨハネスブルグの「食べられる庭」という有機的なワークスペース

南アフリカ・ヨハネスブルグのオフィス街であるサントン地区から15kmほど離れた低所得地区ロレンズヴィル。この一角にあるコミュニティ型ワークスペース「ヴィクトリア・ヤーズ」には、48のテナントが入居し、およそ250人のワーカーが出入りする。ヴィクトリア・ヤーズの開発を手がけたブライアン・グリーンが考える、これからの時代に必要なワークスペースとは。

ヨハネスブルグの「食べられる庭」という有機的なワークスペース

034

中国・深圳の「ファームスクレイパー」オフィス

2021年の国際コンペティションでイタリアの建築設計事務所、カルロ・ラッティ・アソシエイトが提案したオフィスビルは、218mのビル壁面に農場をつくるという広壮な計画。未来のオフィス像のひとつだ。

中国・深圳の「ファームスクレイパー」オフィス

036

街とつながっていくオフィス
―コクヨ「THE CAMPUS」

2021年2月、コクヨは東京・品川に構える自社ビルのオフィスをリニューアルし、「THE CAMPUS(ザ・キャンパス)」としてオープンさせた。注目すべきは、働く・学ぶ・暮らすの実験場と位置づけ、パブリックエリアを拡充している点だ。稼働から1年、同スペースはワーカーや周辺環境にどのような変化をもたらしているのか。

街とつながっていくオフィス<br/>―コクヨ「THE CAMPUS」

042

オフィスにおける「食の力」
―MONOSUS社食研

食関連の活動も手がけてきたIT企業のモノサスが、グーグル・ジャパンの初代フードマネージャーを起用してスタートしたMONOSUS社食研。今年7月竣工、10月に開業予定の東京都内のオフィス施設では、そのビルや周囲のオフィスワーカー向けの職域食堂を、彼らが中心となって進める。キーワードは「食の自治力」の向上だ。

オフィスにおける「食の力」<br/>―MONOSUS社食研

046

未来のオフィスの姿をヴィトラ、ミラーノル、 スチールケースが預言する

未来のオフィスづくりは、何を基準にし、どうアプローチすればいいのか。海外の主要な家具メーカーも、働き方が変容し続けるなかこの挑戦に挑んでいる。かたちだけでなく、組み合わせや変化といった空間、時間の要素も考慮しなければならない。その実験について聞いた。

未来のオフィスの姿をヴィトラ、ミラーノル、 スチールケースが預言する

054

三菱地所、三井不動産、そして森ビルが語るオフィスの未来

2020年初頭、日本国内がコロナ禍に見舞われて以降、多くの企業で在宅勤務が広まり、一時期、オフィス不要論や、地方への移転、会社員の地方移住などの例がメディアで数多く報道された。しかし現在、企業やオフィスワーカーの声を聞くと「家での長時間のリモートワークは住居環境的に無理」「部署内や社外とのコミュニケーションが取りにくい」などの問題点が指摘され、やはりオフィスは必要という意識、風潮が戻りつつあるようだ。日本の不動産ディベロッパー3社は、未来のオフィスについて今何を語るのだろうか?

三菱地所、三井不動産、そして森ビルが語るオフィスの未来

060

空間と時を超えるスマートワークプレイス
―ワコム×mui Lab

ペンタブレットなどを手がけるワコムは、働く人同士が“気配”を感じつつ、互いのクリエイティビティを刺激するデバイス「キャビン」をワークスペースに設置している。手がけたのは、カーム・テクノロジーを体現するスタートアップ、mui Lab(ムイ・ラボ)。キャビンと、そこから生まれるクリエイティビティを取材した。

空間と時を超えるスマートワークプレイス<br/>―ワコム×mui Lab

064

型破りな発想で進化を続けるオフィス
―富士フイルム「CLAYスタジオ」

手を動かすなどフィジカルな作業が多いとされるデザイン開発の現場。そこで理想とされるオフィスとはどのようなものなのか? デザイナー以外も訪れる、ともに考えるクリエイションの拠点として5年前から「CLAYスタジオ」を運営する富士フイルムデザインセンター長の堀切和久に聞いた。

型破りな発想で進化を続けるオフィス<br/>―富士フイルム「CLAYスタジオ」

070

対談 松下慶太(関西大学社会学部教授) ×能作淳平(建築家)

研究者と建築家が語る未来のオフィスに残る要素

ワークプレイスやワークスタイルを主にメディア論の立場から研究する松下慶太、東京・国立で自身の設計事務所を併設したキッチン付きシェア商店「富士見台トンネル」を運営する能作淳平。松下は研究、能作は実践を通じて、働き方やワークプレイスのあり方を模索する。それぞれの立場から見えている、これからのオフィスの風景とは? 能作が拠点とする国立市の富士見台トンネルで、未来のオフィスに求められる要素を語ってもらった。

研究者と建築家が語る未来のオフィスに残る要素

006

Close-Up

KYOTO STEAM 2022

079

LEADERS

河 瀨直美(映画作家)

084

Sci Tech File

生物の形の深奥に潜むシンプルで美しい原理を求めて

090

田川欣哉のBTCトークジャム

ゲスト:浅沼 尚(デジタル庁CDO)

096

Insight

住宅から建築へ。海を渡った「から傘の家」

102

Insight

そのアルゴリズムは正当か?エシカルなAIを追究する
ティムニット・ゲブル

108

Insight

「 わかりやすさ」を研ぎ澄ませて、新しい美術館像を発信する
大阪中之島美術館

116

& DESIGN

アート(太田睦子)、インテリア(土田貴宏)、フード(君島佐和子)、ビジネス(長谷川敦士)

121

クリエイターズナビ

NEW、リン・ハオ、戸田浩二、URAOMOTE、西川 圭

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