プルルルルルル♪
「おぉっ、総経理から携帯に電話来てる!」「津田さーん、今度○○の仕事があるんだけど、次に僕のオフィスに来るとき声かけてよ。ぜひデザインに仕事を頼みたいんですよ」「承知しました。来週行きますのでお時間いただけますか?」「わかりました、秘書に言っておくから、よろしく!」。
こんな感じでパナソニックアプライアンス中国の総経理(社長)と会話が始まり、トップ直結の業務が来る今日この頃。時には微信(ウィーチャット)で連絡が来て、そのまま打ち合わせするときもあります。
僕のオフィスで一緒に働いている、日本から来ている30歳の若い日本人デザイナーは、各事業部の部長クラス、時には総経理(事業部長)と対等にデザイン検討をしてガツガツ方向を決めてきます。上司と一緒に行く、ついて行くのではなく、全部自分で準備して、ひとりで決めていくんです。
デザインセンターの場所は他の職能や事業部のオフィスとは離れているのですが、毎週常にどこかの部署の人、時には責任者が来て活発な論議が行われ、デザインの方向性がどんどん決まっていきます。
日本でこのようなダイレクトコミュニケーションはとても難しいですよね。まず上司の承認、関連部署のネゴ、秘書さんとの日程調整、資料などの準備、事前会議、リハーサルなどなど、間にさまざまなステップがあり、確実性はありますが、スピード感やダイレクト感は比例して下がってしまいます。どちらのやり方が良いかの話ではなく、僕も日本だけで仕事をしていたらわからなかった仕事のスタイルが、明らかに中国には存在します。
こういった今まで知らなかった環境に置かれて、僕ももっと早く海外での仕事を経験しておけば良かった、と考えてしまいます。上記した若い日本人デザイナーは、明らかに日本にいたときと比べ、眼力や行動力がレベルアップしています。
海外での勤務となると、欧米諸国に憧れる方も多いでしょうし、最近は海外で仕事をすることをためらう若い人もいると聞きます。でも僕は、自分の力を存分に試したいのなら、中国をお勧めします。今回お話した経営トップとのダイレクトなコミュニケーションもそうですし、先述したようなさまざまなスペシャルな出来事に囲まれてそれらをやり繰りしながら、自分のやりたいこと、やるべきことに向かって、周りを憚ることなく行動していける。成功も失敗も自分の責任、だからこそ本気で勝負していけるこの感覚。
みなさん、もし中国赴任のお話が身の回りにあるのならば、ぜひ挑戦してみてください。「Every day is Special day」こそ、人生の醍醐味、ですね!
さて次回からは、また最近の中国の興味を引く事象についてお話していきたいと思います。