ミラノサローネ / ユーロルーチェ 2017
「行燈が放つコンテンポラリーなあかりーーKASANE ANDON」


ミラノ市内、コルソコモ地域のギャラリーでのプロダクトデザイナー、寺内ユミさんの展示。インテリアブランドで企画・空間デザインなどを担当した後、独立し、広くデザイン活動を行なってきた寺内さん。今回は、オリジナルデザインのライフスタイル商品と行燈照明「KASANE ANDON」を発表しました。この照明の特徴は、指物による木枠に和紙を施したボックスを重ね、光源から広がる光が不規則なグラデーションをつくり、空間のアクセントとなるところです。シーリングタイプには、SとLの2つのサイズがあります。

充電可能なLEDの発光台座「ルミトランス」 の上に、2連の和紙シェードを置くと、手元で使えるポータブルな行燈になります。

この「KASANE ANDON」のシリーズにはスタンドタイプもあり、今後もさまざまなバリエーションの可能性がありそうです。製作は、行燈照明の製作では長い歴史を持つ都行燈。同社の行燈の歴史は、明治時代の初代の組子製作から始まっています。代々受け継がれてきた行燈製作技術のクオリティは高く、高級料亭や宮内庁などへも納品実績があり、最近では海外からも注目を集めています。典型的な和の照明から、モダンでシンプルなものまで製品の幅は広く、今回は寺内さんのデザインによって、和のイメージにとどまらず、無国籍な印象を感じる照明になっています。

今回の展示について、寺内さんは「日本のものづくりと技術の素晴らしさを再認識していただき、国内外の多くの方々から良い評価を得られました」と語ってくれました。和の素材と技術は今回その他の国々のプロダクトにも多く見られ、日本のものづくりとつくり手への期待は高いと改めて感じました。End

取材協力 : 寺内デザインオフィス http://www.t-designoffice.co.jp/