海外留学卒業生による展覧会
「Re-Importation」11月6日まで

本展は、イギリスのCentral Saint Martins、 The Glasgow School of Art、 オランダのGerrit Rietveld Academie、スイスのÉcole Cantonale D’Art de Lausanne の4 校を今年卒業した日本人7 名による作品発表会。

「留学中、私たちのデザインヴィジョンは、日本とは異なったデザイン教育から得た発見や思考に大きく影響されてきました。本展ではそのデザインヴィジョンがプロダクト、建築、ジュエリーなどさまざまに表現されています。」(同展実行委員)

▲岩元航大さん(神戸芸術工科大学卒業後、エカルへ留学)

大学のフリープロジェクト(自主研究)で制作した作品(メンターは、トマス・アロンゾ)。テーマとしたのは「自宅で生産、販売できるもの」。チューブフラットニングに着目し、試作を重ねた結果、ローテクで製造できる折りたたみ式のチェアが生まれた。現在、商品化進行中。

▲中矢茉貴さん(高校卒業後、ドイツへ渡り、住み込みでベビーシッターやバイトを経てキッチンデザインを学び、エカルへ留学)

キッチンのイライラを解決したいと考案した湯切りができる鍋。同じ機能を持つ既存商品もあるが、どれも完全ではないと感じ、デザインした。鍋の蓋部分の形状に工夫が見られる。

本多沙映さん(武蔵野美術大学卒業後、ヘリット・リートフェルト・アカデミーへ留学)

ハワイの海岸でプラスチックごみと自然物が熱によって溶け生成された新種の石が発見された記事からインスパイアされたもの。同じ場所にあったごみと自然物から「石」をつくり、それをアクセサリーにデザインしている。それぞれのあった場所の情報も「鑑定書」には記載されている。


山本崇弘さん(多摩美術大学卒業後、エカルへ留学)

筒状のガラスに釣り糸を巻き付けることによる視覚効果の実験から生まれた作品。中にモバイル端末
を入れ動画を再生すると思いがけない光の効果が。「単純作業の繰り返しでつくられたものが、私たちの想像をはるかに超えた美しさを持つことがあります(山本さん)。」

ベルリンの壁における緩衝地帯に公共空間を設計した大島頌太郎さん(多摩美術大学卒業後、グラスゴー・スクール・オブ・アートへ留学)のプラン。政治的な背景により、文脈を断たれた土地には新たに人々が集まる場が必要とされている。古代ギリシャのアゴラの設計手法を応用、本プロジェクトのために毎日1件ずつ関連資料を集めてまとめた「Diary」など徹底的なリサーチを行った。

武内さやさん(高校卒業後、セントラル・セント・マーチンズ校へ留学)。パッケージを捨てないおもちゃの提案。「ストーリーを大切にしたい。」とのこと。

この展覧会が、海外のアートスクールやデザインシーンに目を向けるきっかけとなり、結果として国や年齢を超えた交流を生み出し、新たなコミュニティを形成する機会になれば幸いです。」(同実行委員)



「Re-Importation」

会期:10月28日(金)〜11月6日(日)
   10:30〜18:30(会期中無休)

会場:Ichys Gallery (東京都港区南青山2-11-14 3F)
   Ichys Gallery Map

11月5日(土)、6日(日)は、デザイナーによるプレゼンテーション、トークイベントが行われる。詳細は、Re-Importation