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11時間前
デザインを専門とする、あるいはデザイン周辺にいる人々が、自らのデザイン観とともに、世の中のさまざまな事象を語り、考える。
「庭と織物――The Shades of Shadows」展(HOSOO GALLERY、京都・2024)より、織物のインスタレーションⅡ《かげのかげ The Shades of Shadows》
ken-tic 建築的思考から
以前、建築家の川添善行さんと一緒に、「ken-tic 建築的思考から」と題した連続トークイベントを実施していたことがある[1]。建築学科卒業後、異分野――アート、舞台演出、ファッション、広告、行政など――で活躍しているゲストを招き、それぞれの分野でどのように建築学科で身につけた専門性や強みを活かしているのかについて議論するという企画である。
この企画の趣旨文で、次のように書いた。「建築的思考とは、必ずしもドローイングを描き、模型でスタディし、建築物へと収斂させていくような、狭義の設計のみを指すわけではありません。それは、さまざまなメディアや次元を横断しながら、未分化の雑多な情報を、新たなカタチに統合していく術である」と。「ken-tic」のプレゼンテーションやディスカッションから浮かび上がってきた建築的思考のキーフレーズには、例えば次のようなものがあった。
・衣食住の境界を分けずに、全体性を捉える。
・さまざまな関係性の中に潜むストラクチャーを抽出する。
・時間や空間を構成する単位や尺度を捉えなおす。
・モノと身体を分けずに、モノと身体を媒介する動作へ着目する。