建築や都市にまつわる印刷物のフェア「アーキジンズ フェア2025」が、2025年5月1日（木）から5月11日（日）まで、京都市左京区のけんちくセンターCoAKで開催される。

※昨年度の展示風景。

これまで建築の分野では、建築表現や建築家のコンセプトを伝える上で書籍・雑誌が重要な役割を果たしてきた。しかし近年は、インターネットの普及により、メディアの主流は紙媒体からウェブへ移行しつつある。これにより、情報の発信が手軽になる一方、その形式が平板化し、一過性の消費にとどまってしまうといった課題が浮かび上がっている。

こうしたなか、設計事務所や建築家が自ら身近な印刷機器やデザインツールを用いて、独自のテーマや視点を伝える書籍やジン（アーキジンズ）を制作・出版する動きが出てきている。実作の少ない若手建築家にとっては自らのステートメントを発表する媒体となるほか、都市や建築に関わる実践的なツールとして販売されるなど、新たな役割を担いつつある。

第2回目となる今回のフェアでは、国内外から約100の出展者が集結。アジア、ヨーロッパ、アメリカなどからも20組近くがエントリーした。国内では入手が難しい貴重なジンの展示も行われるなど、多彩な制作者の視点やメッセージを通じて、これからの建築と都市のあり方を考える機会を創出する。

また、出展者と来場者が交流できるイベント「アーキジンズ フェス」を、京都市左京区のCaracois（カラコイス）にて5月11日（日）に開催。出展者が登壇し、アーキジンズに込めた問題意識など、さまざまなテーマでディスカッションを展開する。