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2025.04.14 11:58
日本のデザインを次世代へと継承し、未来の産業振興のための資源として整備・活用していくプロジェクト「DESIGN デザイン design」が発足。全国のミュージアムや研究施設と連携し、各地のデザインアーカイブの情報を一元管理し、公式ウェブサイトで公開する取り組みである。アブストラクトエンジンが、経済産業省の令和6年度の実証研究事業である「我が国企業のデザイン資源を活用した海外展開促進事業」を受託し、ウェブサイトを立ち上げた。
デザインは、日本の文化と産業の発展を支える重要な資源であるにもかかわらず、その記録や保存、活用の仕組みがいまだ十分に整備されていない。美術館や博物館、資料館などのミュージアムやデザイン関連の研究所、民間の施設などが個別にアーカイブを保有している。
そうした課題を踏まえ、「DESIGN デザイン design」のねらいは、単にデータを保存するだけでなく、日本のデザインがもつ価値を未来へとつないでいくことにある。伝統的な工芸品や民藝品から近現代の工業デザインから生まれたプロダクトまで、過去の知識が新たな創造の源泉となるように、デジタル技術を活用して国内外のデザイナーや研究者、企業が利用できる環境を整備していく。
今回は、関 康子、保坂健二朗、田中正之、岩井美恵子、横山いくこ、野見山 桜、川上典李子ら8名の有識者と15の施設の協力のもと、グラフィック、建築、プロダクト、ファッション、パッケージなど10種類のデザイン資源を3Dスキャンでオープンデータ化し、誰でも自由にアクセス・ダウンロードできるかたちで公開。さらに、43のデザイン資源に関する情報を集積し、デザインの背景や制作プロセスを含めた記録の体系的な保護を進めている。
今後は、この活動をデザインの「生きたアーカイブ」として、多くの人が参加するプラットフォームに育てていくことを目指す。また、プロジェクトの趣旨に賛同し、未来のデザインアーカイブを築いていく協力者を広く募集している。