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2025.02.06 18:08
自然の機能を生かしてさまざまな課題を解決しようとする「グリーンインフラ」が少しずつ日本でも定着しつつある。なかでも雨水の浸透、貯留、水質改善を目的とした植栽空間「レインガーデン」は、気候変動によるゲリラ豪雨や集中豪雨などの水害リスクへの対策として注目を浴び、街中や私たちの暮らしの身近に実装され始めている。景観性や生物多様性を考慮したレインガーデンをさらに一歩押し進めたのが、竹中工務店による「レインスケープ®」だ。
+POOLの構想図。マンハッタンの東側、イーストリバーに浮かぶ構造体で、海底につながれている。マンハッタンとは2本の通路で結ばれる。2027年オープン予定。
雨水の見える化で意識を変える
10年以上前からアメリカなどを中心に、「グリーンインフラ」という考え方が広まり始めた。グリーンインフラとは、自然環境が有する機能を多様な課題の解決に活用しようという考え方で、雨水を効率的に浸透させ、流出を抑えるために設計された緑地帯「レインガーデン」もそのひとつ。近年激甚化する水害リスクの増大とともに、都市部では集中豪雨やゲリラ豪雨に伴う洪水・浸水被害が深刻化していることを背景に、その機能に期待が高まっている。さらに、国内でも少しずつこのレインガーデンが公共空間や民間企業の敷地などに活用されるようになり、国や自治体でも支援制度などが始まっている。