仮想環境からグラフィックデザインの可能性を考える
展覧会「もうひとつの表示」開催中

東京ミッドタウン・デザインハブでは、第112回企画展「もうひとつの表示」が2025年2月23日(日)まで開催中。企画・運営は、日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)のデジタルメディア委員会が手がける。

グラフィックデザインは長年にわたり、紙や壁といった視覚表現を支える支持体とともに発展してきた。現在では、デジタルメディアの発達により、デジタルサイネージやスマートフォンなどでのオン・スクリーンの表現も一般的となっている。また、VRやARといった技術と組み合わせることで、仮想環境でのグラフィックデザインも実現可能だ。

では、近い将来には日常的になるはずの物理的な制約を超えた空間での視覚体験に、今日のグラフィックデザインはどのようにアプローチできるだろうか。同展ではこうした問いのもと、グラフィックデザイナーたちが他分野の専門家との共同制作を通じてこれまでにない視覚デザインを探求する。

作品の表現方法は、空間に浮かぶ詩のイメージ(ARを用いた詩の視覚表現)や、単発の音(クラクション)を利用した立体音響空間による座標系の作成(音を支持体としたグラフィックデザインの実践)など、実験と思索から生まれたものである。

研究例:ARを用いた詩の視覚表現

空間に浮かぶ詩のイメージ

研究例:音を支持体としたグラフィックデザインの実践

単発の音(クラクション)を利用した立体音響空間による座標系の作成

座標系に合わせたARによるオブジェクト(グラフィック)の表示・動き

同展では、現実/仮想という区別を超えた視覚体験から見えてくる「もうひとつの表示」を通じて、これからのグラフィックデザインの可能性が体感できるだろう。End

東京ミッドタウン・デザインハブ第112回企画展
「もうひとつの表示」

会期
2025年1月31日(金)~2月23日(日)
11:00~19:00 会期中無休・入場無料
展示詳細
・物理と仮想を対比することで見えてくる詩の可能性
佐々木 俊 × 北千住デザイン(クリエーティブコーダー/アーティスト)× 最果タヒ(詩人)
・文字とイメージを分けない表現方法の研究
田中良治 × 谷口暁彦(メディアアーティスト/多摩美術大学准教授)× 佐クマサトシ(歌人)
・音を支持体として音響詩を表現
永原康史 × 浜田卓之(スケートボーダー/東京藝術大学芸術情報センター)× フィリッポ・トンマーゾ・マリネッティ※
※イタリアの詩人。1909年「未来派宣言」を発表。
企画・運営
公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)
会場
東京ミッドタウン・デザインハブ
(東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5F)
詳細
https://www.designhub.jp/exhibitions/dm2025

関連イベント
東京ミッドタウン・デザイン部「もうひとつの表示」ギャラリーツアー

日時
2025年2月19日(水)18:30~20:00
会場
東京ミッドタウン・デザインハブ
定員
30名(申込先着順)
ツアー講師
田中良治(JAGDAデジタルメディア委員会 委員長)
申し込み
Peatixより要予約。