デザイン、アート、建築書で知られる出版社のADPは、陶芸家 樂 直入（らく・じきにゅう）の作品集『BLACK ROCK,WHITE ROCK Homage to Alban Berg and Toru Takemitsu』を刊行。出版を記念し、東京・青山にある草月会館で、2025年2月7日（金）と8日（土）に「樂直入出版記念展　たった2日の展覧会」を開催する。

樂家十五代の陶芸家である直入は、桃山時代に樂焼きを生み出した初代長次郎以来、450年の歴史と伝統を受け継いでいる。伝統に根ざしながらも、現代性を感じさせる造形美を誇り、特に「焼貫（やきぬき）」の技法を駆使した大胆な箆削り（へらけずり）で、彫刻的ともいえる前衛的な作風を築き上げてきた。

近年は、作曲家 アルバン・ベルクと武満 徹の音楽を追求し、それぞれへのオマージュ作品として「BLACK ROCK」と「WHITE ROCK」という茶碗を制作した。現代音楽と茶碗のコラボレーションとも呼べるそれらを、作品集『BLACK ROCK,WHITE ROCK Homage to Alban Berg and Toru Takemitsu』として上梓する。作品の撮影は岩崎 寛が担当し、アートディレクションは葛西 薫が手がけている。

出版を記念する展覧会では、日本では初公開となるロンドンの個展の作品も加わり、草月会館のイサム・ノグチの石庭で開かれる。会場の音響はダムタイプの高谷史郎が協力する。圧倒的な存在感を放つ茶碗を、またとない環境で鑑賞できる貴重な機会だ。