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2025.01.20 11:02
デンマークの家具ブランド フリッツ・ハンセンは、同国のデザイナー ポール・ケアホルム(Poul Kjærholm、1922-1980)が1954年に構想したラウンジチェア「PK23™」を発売。今日まで実現されず、日の目を見ることがなかったチェアが、70年の時を経て初登場した。
コペンハーゲンのデンマーク美術工芸学校で学び、家具職人として修業を積んだケアホルムは、1955年に家具メーカーのアイヴィン・コル・クリステンセン社とのコラボレーションを開始し、ラウンジチェア「PK-22」を発売。ケアホルムが逝去したのち、同氏の管財人は1951年から1967年にかけて手がけた「ケアホルム・コレクション」をフリッツ・ハンセンに委ねたことから、今日でも同ブランドがその製造を続けている。
今回登場した「PK23™」は、「PK4」や「PK0」といったケアホルムの初期作品の要素が見られる一方で、その後の作品に現れるストラクチュラルでミニマルなスタイルの先駆けとなるなど、デザイナーとしてのキャリアのなかでも進化の過程を感じさせる。建築素材に強い関心を持ち、とりわけスチールは、木などの天然素材と同様に芸術的な敬意に値する素材であるというケアホルムの考えが表れたチェアだ。
最大の特徴は、縦に二分割された左右対称の座面とバックレスト。それぞれ成形合板のシェルを使用しており、分割されたバックレストは2つのブラケットで優美につながれている。
シェルはブラックカラードアッシュ、ウォルナット、オークの3種類を展開。ベースはケアホルムの作品を象徴するステンレススチールでできており、ブラックカラードアッシュのモデルのみ、ブラックの粉体塗装仕上げも用意する。