ハーモニーが生み出す精神的なサステナビリティ
OK-RMがGoldwin 0で目指したもの

Enquiry #1 Goldwin 0で出版してきた「Enquiry」シリーズの本。『Enquiry #1, #2, #3』 は、和紙の帯でまとめられた、大判の折り畳み式ビジュアルリサーチペーパーであり、シネマティックなフォトブックとして構成されている。研究、プロセス、結果を区別することができない、真の自由な創造的実験の潜在的な可能性を試している。

「Goldwin 0(ゴールドウインゼロ)」は、カルチャー、循環型社会、そしてファッションの深いつながりを目指す、ゴールドウインによるプロジェクトだ。このディレクションを一任されたのは、英国を拠点に活躍するデザインスタジオのOK-RM。彼らは、視覚表現、音楽、空間、詩など、さまざまな領域のクリエイターとの協業によって、人と自然がともにある未来を構想する。創設者のオリバー・ナイトとローリー・マクグラスに、Goldwin 0のコンセプトのみならず、ファッションにおけるサステナビリティについて話を聞くべく、東ロンドンのスタジオを訪ねた。

コレクティブと築き上げる創造性

── Goldwin 0のプロジェクトを開始した際の、エピソードをお教えください。

ローリー・マクグラス(以下、R.M) 3年前、ゴールドウインのCEOより、アート、サイエンス、ネイチャーそしてサステナビリティを、日本の考え方に合った方法でリサーチしてほしいという依頼を受けました。オープンマインドにプロジェクトは開始し、美術館などのアートプログラムのレジデンシーのように、長期間にわたって内部からこのプロジェクトを自由に育てていくことができました。

オリバー・ナイト(以下、O.K) Goldwin 0には当初、ブランドの洋服はおろか、何も製品がありませんでした。それゆえ、これからつくられるコレクションの裏に潜む思想を、どうやって伝えていくかという、リサーチ・ラボのような機会を得ることができたのです。

──2024年10月、青山のスパイラルホールで行われた展覧会は「Goldwin 0 1 2 3 4 5 0」と名づけられました。0から5へ、そして再び「0」に戻ったのは、どういう意味でしょうか?