NEWS | ファッション / 見本市・展示会
2025.01.07 10:30
大阪・関西万博はこのほど、シグネチャーパビリオン「Better Co-Being」のアテンダントスタッフユニフォームを発表。ファッションブランド YUIMA NAKAZATOを展開するファッションデザイナー 中里唯馬が企画・デザインを担当し、ゴールドウインの協力により開発・製作された。
「Better Co-Being」とは、現在の「Well-Being」にある「Well」を未来に向けて「Better」に変え、そこに「ともに生きる」という意味の「Co-being」を融合させる、というコンセプトである。それは、一人ひとりの多様な豊かさと、未来への持続可能性のあいだで調和を取りながら、ともに歩み、考えるものの見方を表している。
このコンセプトを体現するのが、万博会場中央に位置する同パビリオンである。同万博のテーマ事業「いのちを響き合わせる」を担当するプロデューサー・宮田裕章(慶應義塾大学医学部教授)が手がけ、建築設計事務所 SANAAがデザインを行う。屋根や壁がなく、来場者同士がつながり響き合うなかで、ともに未来を描く共鳴体験を提供することを目指している。
中里は、今回のユニフォームデザインのキーワードに「光」を選んだ。「夏の南フランスで強い日の光を受けた木々の葉の隙間から見える木漏れ日」をモチーフに、その光景を撮影した写真と、点描画で抽象的に表現した光の絵をデジタル加工により重ね合わせ、さらにAI画像生成技術を用いて画像のリピートをランダムに行った。
この画像を拡大し、最新のプリント加工技術で布に印刷することで、布を裁断する箇所ごとにすべてのアイテムの柄が1点1点異なるデザインが実現。これは、パビリオンのコンセプト「一人ひとりの多様な豊かさ」に合致するものだ。
一方、ゴールドウインは、ディティールやパターンの随所に東洋のアイデンティティを導入。シャツの前開きに、通気性を確保するための独自機構の前立てを採用する。さらに、障子をヒントに袖下から脇がファスナーで大きく開閉する構造を配して、着用時に風が体を通り抜けるようにした。ファスナーの開閉具合を調整すれば、着る人の好みに合わせてシルエットをさまざまな形に変えることができる。