コクヨ×住友化学が共創プロジェクトに挑戦
余った飛沫防止パネルを水槽バケツにリサイクル

「水槽バケツ」

コクヨ住友化学は先ごろ、両社が2023年10月に開始した共創プロジェクトの一環として、ケミカルリサイクルをテーマにした第4回目のワークショップを実施し、プロトタイプとなる「水槽バケツ」を参加者に公開した。

コクヨは、2021年に策定した長期ビジョン「CCC2030」において、自社の根幹にある価値観や強みのひとつとして「共感共創」を掲げ、同社オフィスに社内外との共創フロアを設けるなど、新たな展開を行っている。一方で住友化学も、2021年の本社移転を機に共創ラウンジ「SYNERGYCA(シナジカ)」をオープン。社内外の共創に意欲的に取り組んできた。

同プロジェクトでは、住友化学のもつケミカルリサイクルの技術力と、コクヨのモノづくりのノウハウを生かしながら、「循環型社会への貢献」の糸口となる取り組みを模索。コロナ禍が収束し役目を終えて大量に余った飛沫防止用のアクリルパネルを再生して、水槽バケツを制作した。

コクヨ東京品川オフィス「THE CAMPUS」内の共創スペース「CREATION PLACE “BOXX”(ボックス)」にて行われた今回のワークショップでは、成果物である水槽バケツをもとに、こうした活動の検証や循環型社会に対する意識、さらには今後の異業種企業との共創の可能性などを議論した。

2024年11月20日に行われたワークショップの様子

水槽バケツはプロトタイプのため製品化にはまだ課題が残されているものの、異なる分野で事業を展開する企業の共創事例のひとつとして前向きな成果になったと両社は強調。また、生産・流通・消費・廃棄という一連のサイクルにおいては、資源を効率的に利用・リサイクルする循環型社会の実現に向けて、自社だけでなくパートナー企業や消費者などとの協働が不可欠であることを確認した。End