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9時間前
社会的・環境的な責任を果たす革新的な建築プロジェクトを称え、その制作者・運営者を支援するグローバルアワード「Ammodo Architecture Award」がこのほど創設され、受賞者23組が発表された。支援金として10,000~150,000ユーロ(約160~2,400万円)が贈呈される。
同アワードでは3つのカテゴリーが設けられている。社会的課題を解決する「Social Architecture」は、建築家、アーバンプランナー、環境デザイナー、コレクティブなどの横断的なチームによるプロジェクトが対象だ。「Social Engagement」は、社会的・環境的な責任を担う建築に取り組むための次なるステップを支援。「Local Scale」は、自発的ないし非営利の地域コミュニティ主導の建物・空間プロジェクトを表彰する。
また、世界中の多様な地域の建築を平等に評価することも、同アワードの特色である。活用されるデザインスキルなどを重視しており、優れた建築プロジェクトをアーカイブとして可視化し、その知見を広くオンラインで共有するプラットフォームも開発中である。
「Social Architecture」部門は、山崎健太郎デザインワークショップによる千葉県八千代市の高齢者デイサービス施設「52間の縁側」と、Lacolが手がけたスペイン・バルセロナの集合住宅「La Balma」が受賞。前者は細長い縁側のような建築であり、世代を超えたさまざまな人々の居場所となっている。後者は手ごろな価格で入居できる20戸の共同住宅として、建材費を50%削減したほか、各戸の柔軟なカスタマイズも可能だ。
「Social Engagement」部門は12のプロジェクトが受賞。StudioPODによるインド・ムンバイの「One Green Mile」は、自動車の交通量が多い高架下に緑化エリアや子どもの遊び場などを設けて、コミュニティの幸福度を高めている。
また、「Local Scale」部門では9つのプロジェクトが選ばれた。Habitableによるペルー・リマの「『10th of July』Family Group’s Community Hub」は、貧困に陥っている60以上の家族を支えるコミュニティスペースである。キッチンや共用エリア、衛生設備が設置され、子どもたちの教育や農作物の栽培なども目指している。地域にある建材を活用し、機能性と美しさを生み出している点も評価された。