長坂 常/スキーマ建築計画が設計を手がけた
沖縄の宿泊施設「YAWN YARD Kouri Island」がオープン

Photos by Ju Yeon Lee

沖縄・古宇利島に、宿泊施設「YAWN YARD Kouri Island(ヨーン・ヤード)」が2024年9月にオープン。建築家の長坂 常(スキーマ建築計画)が設計を手がけた、沖縄の美しい海を眺めながら、ゆったりと時間を過ごせる独立型のヴィラである。

YAWN YARD(あくびの庭)と名付けられた同施設は、道路を背に細長く高低差のある台形のエリアに立地している。いずれも狭く歪んだ敷地で、同じ形の建物を反復して建てることが難しく、2つの定型を組み合わせた「ハの字」型のユニットを考案した。

各ユニットは、海の眺めや敷地の形状に合わせて、「ハの字」のひらき方や位置を調整。それぞれ異なる屋根をかけることで、敷地の歪みを活かしながら、個々に異なる外観をもつヴィラ群をつくりあげた。

ベッドルーム

「ハの字」のひらいた部分には、眺めがもっともよい半屋外スペースを設け、ダイニングとプールを配置。ユニットの各棟は寝室として使え、一方にはキッチン、もう一方にはバスルームを海側に設置している。また、キッチンとダイニング、バスルームとプールが連続する構成により、シンプルで機能的な空間となっている。

キッチン

さらに、宿泊者に沖縄の文化を体験してもらえる場を目指して、デザイン事務所 Luft(ルフト)をはじめとする沖縄の作家とコラボレーション。木材、煉瓦、石灰岩といった素材や、周辺の自然環境と調和する植栽、本の選定・設置、料理のメニューにいたるまで「メイドイン沖縄」にこだわっている。

バスルーム

また、沖縄をイメージさせるものとして、シーンに合わせて持ち運べるサイズの朱色の円卓を配置。LPAが監修した、反射面を少し高めの位置にしつらえたポータブルで使えるダイニングの照明「Yawn Light」も用意した。サイン計画などのグラフィック全般は、グラフィックデザイナーの色部義昭が手がけている。

ダイニング

YAWN YARD Kouri Islandでは、朝日を浴びながらダイニングテーブルで朝食をとり、暑いときはプールに入ってクールダウンし、涼しくなれば再びダイニングテーブルで本を読んだり、お酒を飲んだりするなど、室内外を行き来しやすいシームレスな空間でゆったりとした時間を過ごせるだろう。End

YAWN YARD Kouri Island

オープン日
2024年9月1日(日)
住所
YAWN YARD (sea):沖縄県国頭郡今帰仁村古宇利1837
YAWN YARD (hill):沖縄県国頭郡今帰仁村古宇利1792-1
詳細
https://www.kouriisland.yawnyard.com/