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2024.11.05 14:05
キャンプ場でひときわ目を引くゼインアーツのテントは、形も、色も、他のブランドとは一線を画している。機能美とは機能や構造を追求した結果、自ずと美が立ち現れることを指すが、同社代表の小杉 敬は、機能を突き詰めるとそこにあるのは機能のみだと言う。機能を第一に、さらに美しさを求めたテントが多くの人を惹きつける。
神社仏閣の軒にならって
長野県松本市のZANE ARTS(ゼインアーツ)は2018年創業のアウトドア用品メーカーである。主力商品はテントで、現在のいちばん人気は4〜5人向けの2ルームテント「LOLO(ロロ)」。中央の支柱一本で幕を支えるワンポールテントと、フレームワークのドーム型テントを組み合わせた新しいスタイルだ。高さを確保できて設営も簡便なワンポールの利点と、空間を隅まで無駄なく使えるドーム型の利点を生かして、室内の開放感と快適性を実現した。尖塔部がどこか“ お城” のようにも見える独特のシルエットは、キャンプ場でも一目置かれる存在だ。
同社の代表でキャンプギアクリエイターの小杉 敬によると「特にこだわったのは軒の部分」だ。昔から神社仏閣を好んで見てきたという小杉が、ゆるやかなカーブを描いて先端が少し反り返る軒の要素をフラッグシップモデル「ZEKU-M(ゼクーM)」に取り入れて以来、ブランドを象徴する形状になった。ロロも前後の開口部に逆テーパーの軒を設けており、特徴的な外観だけではなく日除けや雨除けの機能性を高めている。