加工精度を表現として見せる。
toolboxの個展が、3月18日から京都でスタート

最新号の本誌180号の「揺るぎない個性を貫く3組のクリエイター」に登場した京都のデザインチーム、toolbox(ツールボックス)の個展「toolbox EXHIBITION 02」が3月18日からホテルカンラ京都で開催される。

京都市内の山中に自分たちの工房を設立し、デザインから生産までを一貫して行うtoolbox。メンバー内にグラフィックデザイナーや映像作家がいることで、ビジュアルコミュニケーションまでを自分たちで手がけている。「面白いものしかつくりたくない」という彼らの対話から形づくられていくプロダクトがとにかく個性的だ。

toolboxにとって2回目となる個展では、これまで発表したプロダクトのほか、照明など新作5、6点をお披露目するという。昨秋に東京で開催された個展では、大人の遊び心をくすぐるユーモラスな一面を持つ作品が目立ったが、今回は「もの自体の存在感や佇まい、造形を大切にした」とのこと。

一瞬「どうなっているの?」と目を凝らしてしまう形。メンバーの赤西信哉氏は、それを次のように説明する。「ホテルのロビーという緊張感のある空間に呼応するように、新作にはこれまで以上の加工精度を表現としてまとわせています。薄い板を組み上げ、紙を折ったかのように見える作品、塊を削り出した造形のエッジなど“稜線に現れる力”に注目してください」。

常にものづくりにかかわれる環境に身を置き、そこから導かれる感覚やアイデアを掘り下げていくtoolbox。彼らの新たな展開に期待したい。(文/今村玲子)


toolbox EXHIBITION02

日 時 2016年3月18日(金)〜 3月31日(木)
        4月16日(土)〜 5月1日(日) 
       *前後期は基本的に同じ展示内容の予定

会 場 ホテルカンラ京都1Fロビー
    〒600-8176 京都市下京区烏丸通六条下る北町185
    TEL 075-344-3815
    WEB http://hotelkanra.jp
    Blob http://hotelkanrakyoto.blogspot.jp