NEWS | テクノロジー / ファッション
2024.09.03 16:00
今日、あらゆる業界で喫緊の課題となっているのが、製造段階におけるCO2排出量や廃棄物の削減だ。シューズ業界でも、目標の実現に向けて多種多様な取り組みが行われている。その一方で、新たなテクノロジーを駆使したハイパフォーマンスなアイテムは、人々の購買欲を掻き立てつづけている。こうしたふたつの課題を両立させるべく、スイスのスポーツウェアブランド「オン(On)」は、同社が独自開発した革新的な製造技術「LightSpray™(ライトスプレー)」を先ごろ発表した。
製造プロセスには、ロボットアームを駆使した単一工程のスプレー製法を採用。これによって紡糸や編み、織り、染色の工程を省略できるため、従来のプロセスより廃棄物や労力、水の使用を低減する。また、アッパーには継ぎ目がなくなるので、接着剤を使わずに仕上げられる。
さらに、原材料をそのままアッパーに変換することで現地での製造が可能となり、素材の運搬にかかる負荷も抑えられる。CO2排出量は、他のレーシングシューズのアッパー製造過程と比べて、最大で75%も削減できるとしている。
パフォーマンス面も見逃せない。スプレー製法によってわずか3分で成形でき、極薄・超軽量で通気性に優れ、アスリートの足にぴったりとフィットする最適化したシューズを容易に実現。インクジェット印刷で、さまざまなデザインにも対応が可能だ。
「オン」は、この技術を用いた初のランニングシューズ「Cloudboom Strike LS」を2024年秋冬に展開する。アッパーは30g、全体で170gと軽量で、あらゆる無駄を排除しており、心地よいランニングをサポートしてくれる。