奄美大島のリゾートホテル「MIRU AMAMI」に
環境共生型のヴィラが誕生

鹿児島県奄美大島のリゾートホテル「MIRU AMAMI」は、新たに完成したオリジナルヴィラ14棟を発表。福島県二本松市に本社を置く建築設計事務所 ADXが開発した施工技術「EARTH WALKER(アースウォーカー)」のカスタムシリーズを取り入れた、環境共生型のヴィラが誕生した。

奄美大島の北部・龍郷町にあるMIRU AMAMIは、2020年にオープン。豊かな自然環境に溶け込みつつ、宿泊者が奄美の自然を体験できる場所を提供するため、環境への配慮した設計を行っている。今回は、「森と生きる」をフィロソフィーに掲げ、日本各地の多様な自然のなかでも快適に過ごせる環境配慮型建築を手がけるADXが担当した。

島には大小約200の集落があり、各々で独特な文化や慣習を受け継いでいる。こうした伝統的な文化をヒントに、新設のエリア全体をひとつの集落に見立て、ヴィラの周辺や屋上、テラスに在来種や奄美の気候に適応する植物を配置。周囲の自然と一体となった森をつくり出した。

客室は、家具や壁面に丸みを与えて、有機的な流れのある空間を演出。壁には風や波の音を吸収するコルクを施して、静寂を確保する。一方、バルコニーに出れば、大きな波の音に包まれ、海との繋がりを感じられる。さらに、コリンウッドや炭化コルク、芭蕉和紙、夜光貝など、経年変化を楽しめる自然由来の素材を使うことで、室内にいながらにして自然を身近に感じられる。

そのほか、自然環境への負荷の最小化を目指して、ADX独自の測量データ「森のカルテ」をもとに、敷地内の地形を生かした最適な配置を計画。島の亜熱帯海洋性気候に適応し、地域固有の生態系にも配慮した高床式の独立基礎工法を採用した。また、現地での資材や職人の不足を補うため、床や壁、天井などの部材にはあらかじめ工場で製造したパネルを使い、建設期間を従来工法の1/3である約2カ月まで短縮している。End

完成図

分解図

「MIRU AMAMI」新宿泊棟

所在地
鹿児島県大島郡龍郷町芦徳800
敷地面積
3,487.61㎡
延床面積
539.91㎡
客室面積
31.05㎡ / 40.16㎡
総戸数
14棟
収容人数
最大3~4名(セミダブルベッド2台・ソファベッド1台)
構造
木造
設計
ADX
施工
ADX・中村建設
詳細
https://mirucollection.com/miruamami/ja/miru-amami-home-jpn-2/