NEWS | テクノロジー
2023.10.05 22:19
ビジュアルデザインスタジオ WOWは、社会問題を多角的な視点で見つめ、三次元で魅せるデータビジュアリゼーション「InForms(インフォームズ)」プロジェクトをスタートした。
昨今、若者のニュース離れが進んでいる。そこで同プロジェクトでは、ニュースや報道に関心を持つための機会を創出し、未来のために深く考え、対話を生むような情報伝達のあり方をWOWの得意分野であるビジュアルデザインで提案していく。美しく成形されたデータを「鑑賞」することで想像力を刺激し、「知る」ことのその先にある対話や行動へとつなげる「創造のための視覚化」を目指す。
このプロジェクトでは2種類のデータビジュアライズ手法が提案されている。ひとつ目は、データの背後にある文脈や物質性を「質感」として再起させる手法「InfoTexture(インフォテクスチャー)」。分布や変化、差異といった基本データに、文脈や背景、物質性といった質感を織り交ぜ、量的・質的な観点をひとつの造形のなかに表現。その第1弾として「世界のレアメタル産出量」が可視化されている。
ふたつ目は、データを造形要素として捉え、グラフや座標を造形プロセスに転換する手法「InfoSculpture(インフォスカルプチャー)」。世界の人口推移を表す「人口ピラミッド」のデータを物質化させ、体感できる情報へと昇華させて問題に対する多面的な視点をもてるようにしている。
今回発表されたデータの中には、3Dプリンタで出力可能なものもある。今後は彫刻作品のように立体物として手に取り、鑑賞者の思考と感覚をつないでいく新たなデータ鑑賞体験の提供も見据えている。
また、「InForms」のウェブサイトでは、データビジュアリゼーションの可能性についての考察レポートを公開。鑑賞体験の前提知識となる「世界のレアメタル産出量」と「世界の人口増加」に関する専門家への取材記事も見ることができる。