AXIS 174号は2月28日発売です。

カバーインタビュー フォルマファンタズマ
実験的なマテリアルリサーチをユニークなインスタレーションで表現し、デザインに新たな地平をもたらしたフォルマファンタズマ。アンドレア・トリマルキとシモーネ・ファレジンによるデザインユニットが生み出すものづくりの風景が、私たちに伝えるものは何か。クラフトとインダストリー、プロセスと形、持続可能性、そしてデザインシンキング……。さまざまなマテリアルをメルトした坩堝から現れるプロジェクトの可能性を探る。

特集 ロボットデザインの未来動向
日本では成長戦略の大きな柱とされる「ロボットによる産業革命」。少子高齢化の進むなか、ロボットを人手不足やサービス部門の生産性向上という課題解決の切り札にすると同時に、世界市場を切り開いていく成長産業に育てようという目論見がある。もちろんこうした動きは日本だけではない。諸外国においても、さまざまな分野でロボット技術の開発とその活用が進んでいる。ヒューマノイドや産業ロボットに止まらず、無人機による商業輸送や自動運転車など、かつてのロボットのイメージを超えた多様な姿がそこにある。これらのロボット技術をわれわれ人間はいかに受け入れ、発展させていくのか。本特集では、その最先端の動きとともに、デザインの関わり方を探っていく。

匠のかたち セーター
カシミアすら量産化される昨今、ニットの世界は分岐点を迎えている。より稀少な原料を用いて極細の毛糸を開発する機械織物が出てきている一方、高級ブランドはコレクションで手編みのニットを発表するなど、新たな動きも出ている。手編みには、機械編みには出せない豊かなテクスチャーと着心地の良さがあり、まさに特別な1着と呼ぶにふさわしい。日本でも今、ある手編みセーターが注目を集めている。気仙沼ニッティングである。

オピニオン マリアンネ・ゴーブル(アルテック社長)
フィンランド建築の巨匠、アルヴァ・アアルトらによって1935年に設立されたアルテックが、2013年9月、ヴィトラの傘下に入ると発表された。このニュースに多くの人が驚いたに違いないが、ついで14年7月には、同社の社長にマリアンネ・ゴーブルが就任。彼女はかつてヴィトラ会長ロルフ・フェルバウムの下でさまざまなプロジェクトを成功させた、言わばヴィトラの秘蔵っ子だ。ゴーブルのなかに脈打つヴィトラのDNAは、アルテックにどんな変化をもたらそうとしているのか。

トピックス  伝統回帰を志す中国のデザイナーたち
急速な経済発展による消費ブームに沸く中国で、クリエイターたちが目指すのは、西洋が構築したライフスタイルとは趣を異にする、中国の伝統文化を拠り所とした、自分たちにしかつくれないプロダクトだ。歴史ある工芸技術や自然素材への回帰は世界のデザインの潮流の1つでもあるが、中国のデザイナーたちも、失われつつある職人の手仕事の再生を真摯に試みている。静かにスローワークを実践する、その現場を訪ねた。

トピックス  デジタルの手触りをつくり出す職人技ーハンシェ・ファン・ハーレムのクリエイション
2013年9月、オランダ人グラフィックデザイナー、ハンシェ・ファン・ハーレムは自身の過去10年分のスケッチをまとめた『スケッチブック』を発表した。本は話題を呼び、翌年にはピート・ハイン・エーク・ギャラリーでの個展『Applied & Autonomous─Sketch Exhibition』(以下、スケッチエキシビション)の開催へとつながる。サイケデリックな色づかいと繊細な模様が織りなすデザインで人々を魅了する彼女のクリエイションの源流を探った。

トピックス もっと動きのあるテキスタイルへーハイムテキスタイル2015から考えるインテリアの近未来
インテリアに関連したプロダクトのなかで、大きなマーケットを持つテキスタイル。この分野の世界最大の見本市であるフランクフルトのハイムテキスタイルでは、今年、従来とは大きく異なる手法でトレンドを提示する「テーマパーク」を開催した。それはテキスタイルの動向をコンセプチュアルに読み解き、可能性を伝えるものだった。

その他連載
ザ・プロトタイプ ヤマハ「√」
まばたきの記憶 「いろは展」 文・スケッチ/鈴木康広
本づくし・書評 永井一史/太刀川英輔/深澤直人
産学連携の正しいやり方 東京藝術大学とノリタケ
フロム・ザ・ワールド パリ/ケルン/香港 
クリエイターズワーク&ソウル アントニオ・スカルポーニ/柳 根宇 ほか

AXISは全国書店ほか、下記からも購入いただけます。
fujisan.co.jp →こちらは定期購読も受付中(最大16% OFF)
Amazon.co.jp

デジタル版は下記より。
こちらから記事を一部ご覧いただけます。