オカムラは、物流施設においてカゴ車を使用した工程間搬送や整列配置の自動化を実現する、AI搭載の自律移動ロボット「ORV（オーアールブイ）：Okamura Robot Vehicle」を2022年9月より発売する。

▲カゴ車片側をつかみ上げて走行

物流現場では、多頻度・小口化など物流サービスの多様化と、労働人口の減少により、倉庫内作業の自動化・省力化のニーズが高まっているという。そこで開発された「ORV」は、カゴ車を自動認識して取りに行き、カゴ車の片側をつかみ上げて目的地まで障害物を避けながら搬送してくれる。

けん引ではないため、カゴ車と一体になってその場で旋回するなど、小回りが利く。さらにバック走行も可能で、狭い空間でも隙間なくカゴ車を整列配置させることができる。

さらに、センサーで周囲の環境を把握し、周辺地図の作成と自己位置推定を行うSLAM技術を活用して、目的地まで最も効率的なルートを決定。走行ルート設定の自由度が高く、床面工事や経路テープやマーキング、ルート設定のためのランドマークなどが必要ないので、レイアウト変更や動作エリアの拡張にも柔軟に対応できるという。

また、充電が必要になると設置している給電装置に自動で向かい、充電する自動充電機能を搭載。IoT遠隔監視システムにより、稼働データをクラウド上にアップロードするので、現場で不具合が起きた際には、ログデータをもとに離れた場所からでも調査をすることができるそうだ。

▲整列配置の自動化が可能

▲搬送ルートに応じたフレキシブルな動作

▲AIによる自動検出

▲自動充電機能

最高速度は、単体走行時で60m/分、カゴ車搬送時で40m/分。最大可搬質量は300kgで、単体走行時には最小通路幅900mmまで対応する。充電時間は約1時間で、連続稼働時間は最長5時間となっている。