REPORT | 展覧会
2014.05.16 16:58
「レースグラス」(吹きガラス H150/ W85/ D85 mm)
去る3月に六本木のアクシスビル地下1階シンポジアで開催された富山ガラス作家協会展2014「ガラスが繋ぐ、人、未来」。ガラスの街・富山から9名の作家が参加し、今までにないガラスの表情と形を見せてくれました。この連載では、出展作家の皆さんの作品とコンセプトを紹介していきます。
第1回「池田充章」
年中炎を絶やさず、窯を守り続けて15年になります。1,400℃の炎と格闘しながらガラスを溶かし、繊細ながらも力強い作品が自身の釜から生まれると信じ、日々制作に没頭しています。本質的なものを忘れず、さらに製作に集中できる環境を整え、生涯一品(一作品)と出会えることを目標に、全国でも数少ない窯元として制作に励んでいます。
レースグラスはベネチアの吹きガラス技法で、まず白や青などの色ガラス棒に透明なガラスを巻き取り、アシスタントとふたりで水飴のように30m以上均一に引っ張り合います。その棒を約12cmごとに何本も切断し、約30本を透明なガラスに巻き取ります。次に、アシスタントと色棒をねじるように引っ張り合います。すると、糸を編んだようにねじれたガラス棒ができます。そのガラス棒をつくりたい物の大きさに切断し、約25本ぐらいを吹き竿に巻き取り、空気を吹き込むことにより、糸を編んだような、繊細で美しいレースグラスとなります。
池田充章/富山県富山市生まれ。富山ガラス造形研究所 造形科終了。1997年より富山ガラス工房所属。同年GLASS STUDIO C.R設立。
E-mail: g.coo.r.-1997@docomo.ne.jp
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