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2022.01.25 16:00
世界的な課題となっているプラスチックごみだが、捨てないだけではなく、いかにリサイクルしていくのかが問題の解決には欠かせないだろう。アメリカでは、毎年約4200万トン のプラスチックごみが出ているそうだが、その9%しかリサイクルされていないという。リサイクル施設の不足や、一部のプラスチックがリサイクルできないことがその原因とされる。
そこで、ロサンゼルスを拠点とするスタートアップ ByFusionは、リサイクルできないものも含めて、さまざまなプラスチックごみを使った建築用ブロック「ByBlock」を開発している。
このブロックは、同社独自の「Blocker」と呼ばれる製造ユニットを使い、プラスチックを蒸気と圧縮で成形したもの。これらは、塀や壁、テラスやバス停など、さまざまな用途に使える強度を備えている。
また、製造では分別や清掃の必要がなく、LAの施設では年間450トンのプラスチックが処理可能。全米でさらに12台の「Blocker」が稼働を目指しており、2030年までにアメリカの年間プラスチック生産量の約4分の1にあたる1億トンのリサイクルを目標としているという。
ブロックのサイズは約40 x 20 x 20cmで、連結できるものやフラットなものなど、3つのバリエーションを用意。これより小さなサイズも開発中だ。重量は中空セメントブロックよりも約4.5㎏も軽く、耐久性がある。ただ、日光に弱いため、屋外での使用時は透明な塗料でコーティングするか、別の耐候性材料を使う必要があるそうだ。
2019年には、アイダホ州ボイシの公園で「ByBlock」を用いた建物が完成。今後は全国の回収施設や地方自治体、「Blocker」を運営する企業と提携し、各地で回収・製造することを目指している。