英ケンブリッジ大学、「クモの糸」をヒントに
植物ベースの新しいプラスチックを開発

▲Credit:Xampla

サステナビリティを語る上で、プラスチックごみの問題をどのように解決するかは大きな課題のひとつとなってる。そこで、英ケンブリッジ大学の研究グループは、使い捨てプラスチックに代わる植物ベースの新しい素材を開発した。

この素材は、自然界でもっとも頑丈な素材のひとつとされるクモの糸の特性をまねて作ったポリマーフィルムで、従来のプラスチックと同程度の強度があり、一般的な家庭用品で使われるプラスチックの代替物になる可能性があるとしている。

開発にあたって使用されたのは、植物性タンパク質を分子レベルでクモの糸のような素材へと集合させるという方法。これにより、プラスチックのような自立型のあるフィルムができあがり、工業的規模での製造や消色しない構造色の付与、耐水性コーティングもできるという。

研究グループによると、タンパク質には分子が自己組織化や自己集合する性質があり、特に植物性タンパク質ではさかんに行われるそうで、食品産業から出るものを使えば、原材料を持続的に調達することができると見込んでいる。

また、この素材は家庭で堆肥にすることができるので、他のバイオプラスチックのように分解用の大きな堆肥化施設も必要とせず、成分に化学修飾も加えないので、多くの自然環境で安全に分解することが可能だ。

なお、この素材は、同大学発のスタートアップ企業 Xamplaが製品化を担当。2021年後半には食洗機用のタブレットや洗濯洗剤用のカプセルなど、さまざまな使い捨てできる小袋やカプセルを展開することにしている。End