南房総で鯨とともに生きる人々の暮らしを描く
ドキュメンタリー映画「ひみつくじら」

千葉・南房総には、400年の歴史をもつ捕鯨の町があるという。夏には10mもある鯨が引き揚げられ、解体された肉はその場で直売。1頭から取れる肉はおよそ4トンで、それは「鯨一つ捕れば七浦潤う」の世界なのだそうだ。

こうした鯨を中心としたこの町の暮らしを描くことで、日本人の「鯨への愛」を世界に伝える映画「ひみつくじら」の撮影が進んでいる。2021年夏に撮影のクライマックスを迎え、2022年春の完成を目指してクラウドファンディングを開始している。

「ひみつくじら」というタイトルは、日本人が知っているようで実はよく知らない「捕鯨」を、秘密のヴェールを1枚1枚めくるように丁寧に見せたいという思いからつけられた。

「鯨はどのようにして捕獲され、港まで持ってきて引き揚げられるのか」「10mもある鯨の巨体が、どのようにして『食品としての肉』になっていくのか」「捕鯨に関わる人々は、どんな思いで鯨を見つめ、日々の仕事をしているのか」「鯨の町に暮らす人々にとって、鯨とはどんな食べ物であり、実際にどんな調理をしているのか」といった疑問に答える内容となっている。

この映画を製作するのは、とっておき代表・弥富仁。NHKディレクターとしてライフワークとしていた「小さな旅」の手法を使い、鯨を取り巻く地域の人々の暮らしを描きたいそうだ。End

▲とっておき代表・弥富仁(右)