VRやASMRで新しい食体験を提供
ブランドカノーブルが「バターデバイス」を開発

ナショナルデパートが展開する、バターの新しい楽しみ方を提案するブランド「CANOBLE(カノーブル)」は、VR(仮想現実)やASMR(自律感覚絶頂反応)を活用して新しい食の体験を提供する「food porn(フードポルノ)」に対応した食品デバイス3型を発表した。

CANOBLEは、日本初のバター専門ブランドとして、数々のバターのポテンシャルを引き出す新商品を開発してきた。そのなかで、バターの形状で口溶けをコントロールするという3次元設計に注目し、舌の上に置くだけで自然と溶けて味が変化していくバターを開発した。

▲「タイプ01」
上部にアロマポットを配置しており、ポット内部にフレーバージュレを満たすと、ポットのフチ部分が溶けて行く過程でジュレが口内に溶け出し、香りが広がる。底部は大きなアールを描いていて舌にフィットする形状なので、つねに舌の上でバターを溶かしながら、フレーバーが口内から鼻に抜ける演出が可能となる。

この技術を応用して、VRゴーグルを着用して専用の映像を鑑賞しながら口溶けによる味の変化を楽しむコンテンツ向けに制作したのが、「食べるバターの口溶けデバイス」のコンセプトデザインである。

このデバイスには、上顎と舌に触れる部分の形状や素材に変化を持たせており、口溶け速度を変え、口内で溶けたバターの香りが鼻に抜けていく感覚も考慮しながら設計されているという。

▲開発中の映像のキャプチャー画像

さらに、形状やフレーバーに対応した映像コンテンツを視聴しながら口内でバターを溶かしていくことで、バターが口内の粘膜などの感覚器官に触れたときの刺激と映像や音声が一致したときの心地よさや、口内にある食物とは異なる香りを感じたときに脳が「バグる」混乱など、従来の「食事」とはまったく異なる食体験を提供するそうだ。

なお、バターデバイスのβテスト版は、2021年4月以降に提供を開始する予定。また、将来的にはASMRを組み込み、口内でバターが溶けていく感覚を体験することが可能になるとしている。End

▲「タイプ02」
舌に触れる底部に突起を配置して、舌の上で速やかに溶けながらも空気の通り道を確保する形状を採用。上部に通気のためのカーブを付けており、口内粘膜と密着しても速度感のある口溶けと香りが楽しめる。

▲「タイプ03」
上顎に当たる上面に突起を配置して口溶けを早くし、鼻に抜ける香りにスピードをもたせている。さらに、舌に触れる底面は緩やかなカーブで、舌にフィットさせてゆっくりと溶けていく。そして、中央には水溶性のフレーバージュレを挟んでいるので、フィニッシュ時に切れの良い口溶けを演出できる、といった時間経過を楽しむためのデバイスである。