「不便」さから生み出される「益」に価値を見出す
不便益を考える共同研究コミュニティが発足



スマイルズの研究機関・スマイルズ生活価値拡充研究所は、京都大学大学院情報学研究科川上浩司特定教授が提唱する「不便益」に着目し、東京大学生産技術研究所平岡敏洋特任教授および電通とともに、不便益を含めた「未知なる益=Undiscovered Benefit 」の共同研究コミュニティを発足した。

不便益とは、川上特定教授を中心に2000年代から考えられてきた概念で、不便であるからこそ得られる効用のこと。

また、川上特定教授、平岡特任教授とともにスマイルズと電通が提唱する「Undiscovered Benefit (未知なる益)」は、これまでの合理的価値ではなく、心理学的側面(心理的安全性など)や相対比較的価値(不便益含む)といった再定義された価値である。

同コミュニティは、自動化やDXの推進、便利さの追求を前提とした商品・サービス開発が進んでいく中で、不便であるからこそ得られる効用に着目。

「不便」さ(手間や労力がかかる、時間がかかる等)から生み出される「益(安心感がある、自己肯定感が得られる等)」に積極的な価値を見出そうとする「不便益」の考え方から、企業活動や生活の質をより高めるための隠れた「価値」を見出すことを目指している。

便利さの追求だけではなしえなかった企業の商品・サービス開発とブランド体験創出のため、これを活かす方法論を参加型の研究開発手法により進め、関係者が広く参加できる「社会実装コミュニティ」として運営していくそうだ。End

▲川上浩司特定教授(京都大学)/不便益システム研究所所長

▲平岡敏洋特任教授(東京大学) /不便益システム研究所