町田GIONスタジアムに
人物の「違和感検知アノラ」システムを導入

市民の憩いの場となる公園や運動施設などは、家族連れなどが楽しむことができる場所であるが、その一方で、不特定多数の人が多方面から入園することで、施設運営者の目が届かないリスクも含まれているという。

そこで、ディープラーニングを活用した行動認識AIを開発するアジラは、「複数カメラによる同一人物のトラッキング技術」に関する特許を取得し、「違和感検知アノラ」を開発した。

この特許技術は、カメラ映像に映った「特徴的動作」にもとづいて、人などの行動体の同一性を特定するもの。これにより、シェアオフィスに新規顧客が来た場合にのみ、サイネージへの新規顧客向けの案内表示などができるようになる。

また、大型施設でのマーケティング、顧客やスタッフの動線分析による業務の効率化、施設内における迷子の捜索や、防犯活用や万引き常習犯の検知など、さまざまな応用が可能だとしている。

今回、同社では、FC町田ゼルビアを運営するゼルビアと、ホームスタジアム「町田GIONスタジアム(町田市立陸上競技場)」の指定管理事業者であるスポーツパークパートナーズまちだの監修のもと、今後さらに来客規模の拡大が予想されるスタジアムおよび公園運営における課題に取り組むために、同施設に「違和感検知アノラ」を導入。

施設内に既設の防犯カメラ映像から、トラブルの元となりそうな違和感行動の検知を行うことができ、人気のない場所でも運営者がモニタリングしているような検知能力の提供が可能となった。また、トラブルのあったときだけ対応すればよく、従来のように常時モニタリングしていた場合と比べて大幅な効率改善が見込めるそうだ。

なお、導入後の成果としては、2020年12月から2021年1月までののべ55日間で、合計225回の違和感行動を検知。そのうち緊急性や事件性を要するものはゼロだった。End