NEWS | サイエンス
2020.12.24 14:30
京都大学と住友林業は、「宇宙における樹木育成・木材利用に関する基礎的研究」に共同であたる研究契約を締結し、「宇宙木材プロジェクト(LignoStella Project)」をスタートした。
木材は電磁波・地磁気を透過するので、人工衛星を木造にすればアンテナや姿勢制御装置を衛星内部に設置でき、衛星構造を簡素化できるという。
また、木造人工衛星であれば、運用終了後の大気圏に突入するときに完全に燃え尽きるので、燃焼時に大気環境等の汚染源となりうる微小物質(アルミナ粒子)が発生しない、よりクリーンで環境に優しい人工衛星の開発にもつながるそうだ。
そこでこのプロジェクトでは、2023年に木造人工衛星(LignoSat)を打ち上げ、2024年3月31日まで、宇宙環境下での木材物性評価や樹木育成研究を行う予定だ。
再生可能な資源である木材を宇宙環境で利用する可能性を研究することが目的で、将来的に宇宙で木材を活用する基礎的な知見を得たいとしている。
さらに、宇宙環境という過酷な条件下での木材を活用する技術を開発することで、これをフィードバックして地球での木材の利用拡大にもつなげる見込みだ。