NEWS | 建築
2020.12.10 17:17
デンマーク・コペンハーゲンを拠点にする建築スタジオ ADEPTが設計した、同国のケーエにある「The Braunstein Taphouse」は、地元のブルワリーを訪れる人を迎え、地域コミュニティの活動の中心としても機能する複合施設である。
外観は港にある古い倉庫に着想を得たもので、港へと向かう途中にあり、玄関口として水辺と都市のつながりを強調している。内部は1階にカフェとレストランがあり、2階は自治会の集会やプライベートなイベントに使用できるスペースとなっている。
建築としての特徴は「解体するためのデザイン」だ。別の場所で建物自体を建て直すこともできるし、別のプロジェクトで材料を使うこともできるなど、建物のエレメントはリサイクルが可能なのである。
建物は、可能な限り混合材料を排除するなど、数少ないサスティナブルな建材を使用することで、同等の建築物と比べて廃棄物の量を大幅に削減したという。また、機械による接合のみとするなど、単純な構造原理にもとづいて作られている。
主だった壁面には塗料やモルタルなどは用いず、木の床には近隣にあるフローリングブランド Junckersからでた廃材を敷いているそうだ。
ソーラーパネルにより電力の一部をまかない、自然な換気を促すことで換気装置の使用を抑制。地域のアイデンティティを体現したすっきりとしたデザインで、見た目にも地元に根ざした建築ができあがった。