▲ 写真：近代建築社

岐阜県瑞浪市と日建設計および日建設計総合研究所は、文部科学省のスーパーエコスクール実証事業に認証されている瑞浪市立瑞浪北中学校（2019年4月開校）が、2019年9月から2020年8月までの1年間で、ビルのエネルギー消費量正味ゼロである「net Zero Energy Building」（ZEB）を達成したことを発表した。

スーパーエコスクールは、省エネを徹底して消費電力を抑え、創エネ・蓄エネの技術やさまざまな工夫でエネルギー消費を実質ゼロにする学校のこと。

瑞浪北中学校は、この実証事業で認証された７校目の学校施設で、今回のZEB達成は、新築のスーパーエコスクールでは初めて。また、日本の学校施設（幼稚園を除く）としても初めてのZEBとなるという。

▲ 図1　学校の1次エネルギー消費量原単位実績

▲ 図2　昨年と本年における学校の買電量比較

三者による実測結果によると、一般的な中学校のエネルギー消費量364MJ/㎡年に対して、同校ではさまざまな省エネルギー手法の効果により50%削減。

さらに、太陽光発電の発電量を学校内で消費することで72%削減となり、学校内で消費しきれず余った電力は電力会社へ売電するなど、こうした効果も加味して、ネットで101%の省エネ実績を実現した。

同校では、瑞浪市の文化遺産である登り窯をモチーフにした自然換気、高断熱高気密化、自然採光・地中熱利用、高効率システムの採用（LED照明、高効率エアコン他）、エコモニターによるエネルギーマネジメント、創エネルギーとして太陽光発電120kw、風力発電やペレットストーブを採用。

環境教育の一環として「五感で育む環境体験」を大切にしており、感じる化の仕組みやエコモニターによる見える化、継続的運用を支援する環境マニュアル、歴史や自然から癒しを享受するバイオフィリックデザインなどの環境教育プラットフォームを備えている。