当たり前と思っていた日常を一変させてしまった新型コロナウイルスの感染。この世界的危機と言える状況下では、多くの情報が行き交い、あっという間に現在が過去になっていくような変化の激しい日々が続いています。
“過去を見つめることから未来をつくり出す”ことを実践してきたクリエイティブユニットSPREADは、コロナ禍において行動を起こしたクリエイティブな活動をリサーチし、未来を考えるヒントを探ります。本ウェブでは、SPREADが特に注目するものを毎日1本ずつ紹介していきます。
今日のトピック
香港国際空港は、乗客とスタッフの健康と安全を守るため、飛行機内で接客業務を行うスタッフを対象に、体温チェックと全身消毒ができるボックス型の「CLeanTech J-1」を導入しています。
SPREADはこう見る
「CLeanTech J-1」は、中国の企業China Tech Globalが製作しました。ボックス内部の表面には抗菌コーティングが施され、体や衣服に付着したウイルスや細菌を死滅させるUVライトを浴びることができます。噴霧される消毒液は、2003年に香港でSARSが流行した際に設立されたBioEmという企業のもので、この消毒液はSARSやバクテリアをを99%以上の確率で死滅できるそうです。
日本でも全身消毒できる装置が開発されています。日本車輌洗滌機が発表した「ウオッシュミスト」は、長さ3mほどの装置の中を通ると全身の約95%の面積に薬剤が噴射され、敷かれているマットで靴底の除菌もできます。公共施設や公共交通機関などの出入り口、乗降車口での使用を想定しているそうです。
全身を消毒できるアイデアは魅力的です。例えば公衆トイレやいまはほとんど見かけなくなった公衆電話ボックスのような「公衆消毒ボックス」が設置されるとしたらどうでしょうか。シャワーを浴びるよりも手短に全身消毒ができます。街中に設置されるとなるとボックスのデザインも重要になり、洗練されたものやユニークなものが現れるかもしれません。日々の感染者数の増減には正しく怯えつつ、日常の消毒習慣を積極的に推し進めることが新しい環境下で快適に過ごすための近道かもしれません。