当たり前と思っていた日常を一変させてしまった新型コロナウイルスの感染。この世界的危機と言える状況下では、多くの情報が行き交い、あっという間に現在が過去になっていくような変化の激しい日々が続いています。
“過去を見つめることから未来をつくり出す”ことを実践してきたクリエイティブユニットSPREADは、コロナ禍において行動を起こしたクリエイティブな活動をリサーチし、未来を考えるヒントを探ります。本ウェブでは、SPREADが特に注目するものを毎日1本ずつ紹介していきます。
今日のトピック
米国デトロイトを拠点とする企業、LEAFは高性能フィルター付きで、100%再生利用可能な透明シリコンを使用した「LEAF Mask」を開発しました。世界で初めて米国食品医薬品局(FDAーFood and Drug Administration)の基準をクリアした製品です。
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近頃、透明なマスクの情報をいくつか見かけるようになりましたが、そもそも透明マスクは、曇ったり結露したりしないのか?といった素朴な疑問がありました。そんなときに、これはすごい!と見つけたのが「LEAF Mask」です。
「LEAF Mask」は、命を危険に晒すウイルス対策として設計、開発、製造されました。使用されているフィルターは常に空気中のウイルスの99.99997%0.3ミクロンの粒子をブロックし、感染から身を守ります。紫外線を浴びることで殺菌する機能を持ち、環境に配慮したシリコン製。透明、半透明、不透明の3タイプがあります。米国だけでなく、ドイツ、イスラエル、日本、ポルトガルなど40カ国以上の地域で販売する準備が整っています。
LEAFの設立メンバーには、パーソナルケアおよび科学分野に詳しい投資家や貿易の専門家がいるため、そういったビジネスの知識や経験が豊富な人材が「LEAF Mask」の研究や生産における資金調達を支えているようです。
クラウドファウンディングサイトには、当初の目標金額約300万円を大きく上回る3億5千万円以上の寄付金が集まっています。7月までの募集は締め切られ、9月以降に出荷を予定しているとのこと。定価より19%安い約5000円の出資でマスクとフィルターの1セットを受け取ることができます。クラウドファウンディングの反響からこのマスクの需要の高さを感じます。
「LEAF Mask」は、デトロイトにある20000平方メートル規模の施設で開発、製造されており、工場では1時間あたり平均10000個、一カ月あたり600万個が生産できるそうです。
「LEAF Mask」の他にもさまざまな透明マスクが提案されています。
「HELLOMASK」は、スイス連邦材料試験研究所(Empa)と、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)が開発した透明なサージカルマスクです。2年前から開発に着手しており、コロナウイルスの対策としてではなく、医療従事者と患者のコミュニケーションが取りやすくすることを目的としていました。2021年の販売を予定しているそうです。
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「Civility」は、フランスの企業が開発する、ファッション性の高い透明なマスク。口を覆う部分は透明ですが、頭部に固定するバンドは赤、グリーン、ピンク、黒などカラーバリエーションが豊富です。高性能フィルターが使用されており、空気清浄の性能も高いです。現在クラウドファウンディングで資金を募集しており、今購入すると9月に発送されるとのこと。現在約970万円集まっています。
参考情報→
「LEAF Mask」も含め、今回取り上げたマスクは、まだ購入者の手元に届いたものはありませんが、そこからが本番です。透明なマスクの使い心地を実際に比較してみたいですね。