NEWS | ソーシャル / 建築
2020.07.06 15:45
米メリーランド州ボルティモア市は、ジョンズ・ホプキンズ・ブルームバーグ公衆衛生大学院のガイドラインをもとにして、「Design For Distancingーアイディア ガイドブックー」を作成した。
ソーシャルディスタンスに関する実践的なソリューションやリソースを満載したガイドブックで、無料でダウンロードすることが可能だ。
ボルティモア市と同市長、およびボルティモア開発公社が非営利団体「Neighborhood Design Center」と協力して作成、公共スペースの再開・改良に向けて、安全な場所づくりのヒントを世界に広く提供するものである。
子どもたちによる手描きのスケッチからプロのレンダリングまで、162のデザイン案の応募があり(公式インスタグラムですべて確認できる)、そのうち入賞者10名の提案をまとめたものがこのガイドラインとなる。また、これらのデザイン案は、2020年夏に同市の小規模なビジネス地区に登場する予定だ。
では、いくつかの案を見てみよう。まず、「Curblet Commons」は、駐車レーンを美しくデザインして公共スペースに変換するもので、スロープを歩道に取り付けたり、ヒンジのついたパーテーションやプランターを設置。
路面には点字タイルのようなペイントを施して、視覚障害を持つ人でもわかるグリッドを設け、交差点の角にもポールや駐輪設備を置きつつアートなカラーリングを施して、歩行者と商売のためのスペースに変えるのだ。
「Find Your Tropical Island」は、コミュニティ主導型のスペースで、物理的な距離を取りながらパフォーマンスができる広場である。活動ごとに大きさが異なるサークル状のトロピカルなカラーリングを道路に施し、マーケットも設置。古いタイヤやテーブル、パラソル、ラックなどを再利用しながら、リラックスした雰囲気のソーシャルディスタンスを促すという。
また、「MicroDistrict」は、地域の文化的な多様性や起業家精神を育む取り組みである。COVID-19以降、ブラック、ブラウンの人種コミュニティは食料品店、レストラン、図書館などの必要な施設にいっそうアクセスしづらくなってしまった。さらにこれまでマイノリティ向けのビジネスは、アクセスの悪さを解消することや、公共の場での運用が試されてこなかった。
これらの問題を解決するため、スタッフのいるポップアップハブや地域のよりどころを屋外に設け、住民のニーズに安全かつ楽しく対応する場を作るそうだ。