当たり前と思っていた日常を一変させてしまった新型コロナウイルスの感染。この世界的危機と言える状況下では、多くの情報が行き交い、あっという間に現在が過去になっていくような変化の激しい日々が続いています。
“過去を見つめることから未来をつくり出す”ことを実践してきたクリエイティブユニットSPREADは、コロナ禍において行動を起こしたクリエイティブな活動をリサーチし、未来を考えるヒントを探ります。本ウェブでは、SPREADが特に注目するものを毎日1本ずつ紹介していきます。
今日のトピック
カナダのビジュアルコンテンツ制作会社Visual Capitalistは、4月22日、コロナが消費者の支出に与えた影響をまとめた「HOW COVID-19 CONSUMER BEHAVIOR is Impacting Industries」を公開しました。欧米とアジア13カ国のデータが掲載されています。
SPREADはこう見る
Visual Capitalistは、主に投資やテクノロジー、エネルギー、世界経済に関する膨大なデータとビジュアルを組み合わせてインフォグラフィック化し、複雑な世界の情勢を分かりやすく伝えている企業です。
「HOW COVID-19 CONSUMER BEHAVIOR is Impacting Industries」では、「HOUSEHOLD(家庭)」「FOOD GROCERY(食品)」「ENTERTAINMENT(娯楽)」「SERVICES(サービス)」「TRAVEL & TRANSPORTATION(旅行・移動)」「APPAREL(アパレル)」の6項目に分けて消費者の支出が紹介されていますがコロナウイルスがおよぼす経済への影響は、世界各国で同じような傾向であることがわかります。
「HOUSEHOLD(家庭)」のスキンケア・メイクアップの項目を見ると、ほぼすべての国がマイナスになっているなか、中国だけが0~15%プラスになっています。ブラジルやロシア、イギリスなどはマイナス50%です。世界でいちばん最初にコロナウイルスが流行し、他国と比べて比較的早く外出が再開されたことが反映されているのかもしれません。
「TRAVEL & TRANSPORTATION(旅行・移動)」「APPAREL(アパレル)」は中国以外ほぼ真っ黒!黒は、マイナス50%以下を意味しています。長期間家から出られないストレスから、ネットショッピングで衣服の購入が増えているとニュースで聞いた記憶があるのですが、実際のところ世界の傾向は、衣服、アクセサリーなどを含めアパレル系の消費はすべてマイナス。現実はより厳しいものだと痛感します。
世界の経済状況にコロナウイルスがどう影響しているのか?膨大な情報から導かれるデータは、文字や数字がメインの情報ではわかりにくいですが「HOW COVID-19 CONSUMER BEHAVIOR is Impacting Industries」なら、配色やイラストを有効に活用したグラフィックを通して即座に理解することができるでしょう。
Visual Capitalist
カナダ、バンクーバーを拠点とする企業。世界のさまざまなデータをビジュアル化し、わかりやすく伝える活動をしている。2011年設立。コロナウイルス流行中に売れた商品と売れなかった商品の比較をしたグラフなどを公開している。