ソーシャル・ディスタンスの時代により、街路の活用方法とは?
アメリカ都市交通担当者協会がガイドラインを作成

全米都市交通担当者協会(NACTO)は、新型コロナウイルス感染症対策として、街路利用のガイドライン「Streets for Pandemic Response & Recovery」を発表した。

このガイドラインの作成にあたり、同協会会長のJanette Sadik-Khanは「危機によりステイホームが続き、交通量や交通サービスが減少すれば、移動手段は限られてくる可能性があります。しかし、こうしてできた空きレーンを使えば、必要な移動や健康的な活動のために街路を活用する新しい可能性が生まれます」と語る。

そこで同協会は、ソーシャル・ディスタンスの時代により安全に移動できるように、街路のさまざまな活用パターンを紹介。たとえば、エッセンシャルワーカーなどのための自転車専用レーンを設けたり、歩道の幅を拡張したり、バス待ち専用レーンを設置することを挙げている。

また、車線を減らし車の最高速度も下げて、人や自転車が道路中央を安全に移動できるようにしたり、1レーンまるごと屋外カフェ・ダイニングエリアにしたり、歩行者専用道路にして青空マーケットにしたりするのだ。

もちろん、こうした実践をCOVID-19以前から取り入れている地域は世界中にあるので、私たちの参考になることも多い。

いずれにせよ、NACTOが強調するのは、こうした街路の有効活用が人々の健康や社会サービスの増進につながるということだ。周囲と距離を保ちながら運動することもできるし、交通事故だって減らすことができる。

また、緊急事態には、ただちに医療・検査スペースや食料配給スペース、Wi-Fiスポットになるなど、街路には私たちの社会生活を維持していくのに重要な要素がたくさん含まれている。これを機会に、道路のあり方を見つめ直す必要があるだろう。End