フィレンツェの広場にソーシャル・ディスタンスを
視覚的に意識させるインスタレーション「StoDistante」

イタリアの建築スタジオ「Caret Studio」は、新型コロナウイルスの感染拡大から生まれたソーシャル・ディスタンスという取り組みを公共スペースで展開するインスタレーション「StoDistante」を公開した。

このプロジェクトは、イタリアで現在行われている安全対策のなか、フィレンツェ近郊にある町 ヴィッキオ(Vicchio)で実施。ルネサンスの先駆者として知られる画家 ジョット生誕の地で、彼の名前を冠したジョット広場(Piazza Giotto)を舞台に、ソーシャル・ディスタンスを視覚的に意識させるために一時的に行われているという。

今後数週間のうちには同国でも規制が緩和される見込みだが、それでもオープンスペースの使い方はこれまでとは違うものになるだろう。そこでこの「StoDistante」によって、こうしたオープンスペースを再活性化させることがねらいとなっている。

このトスカーナ地方では、ソーシャル・ディスタンスは1.8mと定められている。これをもとに、安全を確保するための正方形を使ったグリッドをデザイン。さらに、この正方形自体もさまざまに大きさを変えることでグラデーションとなり、パターンが生まれた。

こうしたパターンは、広場の既存の文脈のなかで、新しい視点や相互作用を生み出すものとなる。この取り組みは初めてのものだが、今後はほかの公共スペースでも実施する可能性もあるそうだ。

同スタジオは、コロナ後の新しい社会生活に向けて一時的なインフラを設けることで、新時代の公共スペースの使い方を考える機会になることを期待している。End