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2020.04.06 15:25
電気的に点字を表示するデバイスである「点字ディスプレイ」は、コンピュータ画面からの情報を、平板な表面に開いた穴からドットを浮き上がらせて点字に変換している。
しかし、こうしたデバイスは数十万円もするそうで、表示できる文字列も最大で80文字程度と短いなど、さまざまな制約があるそうだ。
そこでカリフォルニア工科大学の研究グループは、点字ディスプレイを改良して、全盲や弱視の人たちが文章や画像をより簡単に理解できるようにし、なおかつコストを低減することを目指している。
このグループが着目したのは、「電気活性ポリマー」(electroactive polymers, EAPs)と呼ばれるものだ。従来のデバイスよりもはるかに多くの情報を表示でき、その多様性も大きく、さらには、より簡単に安価で製造できる可能性もあるそうだ。ただし、作動させるためには高電圧が必要で耐久性も低いなど、まだ多くの課題があるという。
そこで、「ポリイオンコンプレックス」(polyionic complexes)をベースとした新しい電気活性ポリマーを開発。従来のEAPsに比べて必要な電圧がはるかに少なく、効率が高く、弾力性があるとしている。
こうした材料が点字ディスプレイで使えるように開発中で、スマートフォンやタブレットの画面のように、タッチに反応する点字ディスプレイなども作れるのではないかと期待を寄せている。