イギリス国立鉄道博物館が新しいホールを建設へ
円形の機関庫をイメージした木造建築

▲© DC Visuals

イギリス・ヨークにあるイギリス国立鉄道博物館では、50周年の記念として2025年に「Central Hall」が建設されることになった。その設計コンペが開催され、ロンドンに拠点を置くFeilden Fowlesの設計案が勝利を収めた。

今回のコンペでは、既存の博物館の敷地を統合・整理するためだけでなく、既存の施設や歴史的建造物を参照しながら温かみのある天然素材を使用して、駅舎建築よりも国立博物館としての美しさを体現するものとし、集いや学び、遊び、リラックスなど新旧のコミュニティのニーズに対応した安心できるスペースを提供することが目標となった。

▲© DC Visuals

そのなかでFeilden Fowlesの案は、19世紀の偉大な鉄道建築の精神を反映しながら、鉄道への興奮と敬意を称える、わくわくするような楽しい空間を生み出すことを目指すという。

デザインはローテクをベースとし、きれいに細工を施した木造構造とすることで、コンクリートや鋼材に使用を極力減らし、CO2排出を抑制。パッシブデザインにアクティブシステムを組み合わせ、施設運営から出るCO2を80%削減する。

▲© Feilden Fowles

博物館の広場に建てられるこのCentral Hallは、円形の機関庫を参考にし、また、コレクションへの好奇心をかきたてる大きな円形ホールをもつ、世界の歴史ある偉大な博物館からもインスピレーションを得ているそうだ。

建物は、かつてのヨークノースの機関庫や貨物駅といった地元の産業用鉄道とも調和した、温かく居心地の良い、胸が躍るような空間とし、訪れた人やスタッフ、ボランティアの快適さと健康にも配慮する。

▲© Feilden Fowles

そして、鉄道のイノベーションによって新たなルネサンスが生まれつつある現在、国立鉄道博物館の活性化は、イギリス内外の未来の鉄道にも大きな影響を与えるとしている。End