▲© ESA

欧州宇宙機関（ESA）では、フランスのエンジニアリング企業 COMEXと契約を結び、「TRAILER」と呼ばれる2年間のプロジェクトを進めることにしている。タンデムで動く2台のロボットをベースに、月面探査ミッションで宇宙飛行士とロボットとの円滑な共同作業ができる新しい仕組みを試験するという。

このロボット探査車は地球上や月軌道上の基地から操作するもので、自律的に特定のタスクを実行。「TRAILER」プロジェクトでは、「TRACTOR」と「WAIN」の2台で構成される。

機敏で強力な「TRACTOR」は、高い移動能力と高性能のナビゲーションを備えたローバーで、ローカルワイヤレストランシーバー、短期蓄電システム、サンプル採取ユニットなどがある。

一方、「WAIN」はトレーラーとなるもので、移動やナビゲーションの能力は高くないが、高い発電・蓄電の能力があり、ローカル無線ネットワークで月＝地球間の通信を確保したり、サンプルの収集・分析を行う「ラボ機能」も搭載している。

これらのロボットは月の南極をはじめとする各地で活動する予定で、人間とロボットが協力して、月面での生命維持にかかわる要素を探すことになるそうだ。