親しみやすくて開放的なノルウェーの学校建築
校舎と体育館の大部分にCLTを使用

ノルウェー・テレマルク県にあるサウランドには、廊下や教室があり、正面を向いた座席配置で授業が行われる一般的なタイプの学校があった。村ではこうした形式は極力抑え、自由な学習とプロジェクト解決型の授業を押し出した、21世紀の要件を満たす新しい学校建築を選んだそうだ。

学校建築の専門知識をもつオーストリアのPPAG Architectsと、スカンジナビアの木材建築の専門知識をもつノルウェーのHelen&Hardが共同で設計に取り組んだ。

PPAG Architectsが手がけるのは、「クラスタースクール」というもの。学校全体があらゆる特別教室を含んだひとつのクラスターになるそうで、包括的な教育を行う空間になるという。

教室は2階建てでこの地域にある木造住宅ほどの大きさ。校舎には表も裏もほとんどなく、あらゆる方向から同じように見える。親しみやすくてアクセスしやすく、開放的な建築だ。

校舎と体育館の大部分はCLT(クロス・ラミネイティド・ティンバー)を使用。湿度を調節して、快適な室内環境を作り出してくれる。子どもたちもこの木に触れたり、座ったり、勉強したりできる。

各グループがふさわしい場所を見つけられるようにさまざまな空間構造を設けることで、年齢やクラスを超えた共同作業も可能。中央にあるフォーラムエリアも一日中利用することができる。その真ん中にある広い階段も学びの場となるそうだ。End

▲Photos (c) Wolfgang Thaler