NEWS | 建築
2019.11.26 14:20
茶室や伝統工芸で知られる城下町・金沢に、このユニークな文脈を活かしたホテル「KUMU 金沢」がある。設計は関祐介が手がけており、国内外の宿泊客を地元のコミュニティや歴史へと誘うデザインとなっている。
そのコンセプトである「KUMU」は、「組む」「汲む」「酌む」などと書かれ、「人と場所をつなぐ」や「思いやる」、「もてなす」といった意味をもっている。
こうしたテーマは、包括的で文脈と結び付いたホテルへと結実。築年数を経たオフィスビルをリノベーションしており、旅行者の多様なニーズに対応するために、ドミトリーからスイートまで幅広い客室を用意した。
金沢の茶室を感じさせるティーサロンを1階に設けることで、ホテルが地元に組み込まれ、さらには市内の他の場所へも繰り出すようにうながしている。また、日本の伝統的な建具を使い、ロビーの天井には木製の格子を組んだ。これは、スペースを区切るために使われるモジュール式のウォールパネルを支えるものにもなるという。
カスタムデザインの家具は異なるテクスチャと素材を組み合わせ、客室に設置した障子には格子模様のディテールを施している。