スノヘッタがノルウェー・スヴァールバル諸島で手がける
永久凍土の保管施設のためのビジターセンター「The Arc」

北極圏にあるノルウェーのスヴァールバル諸島(Svalbard)には永久凍土があり、地政学的にも気候的にも安定しているので、なにかを安全に長期保管するのには適している場所だそうだ。

建設設計事務所 スノヘッタが同地で手がけている「The Arc」は、こうした保管施設のビジターセンターとなるもので、世界最大の種子保管施設「スヴァールバル世界種子貯蔵庫(Svalbard Global Seed Vault)」や、世界のデジタル遺産の保管施設「Arctic World Archive」のコンテンツを展示するという。

エントランス棟には、ロビー、チケット、ワードローブ、カフェなどのビジター向けの機能と、Arctic World Archiveの生産設備や技術室を備える。クロスラミネートティンバーの構造フレームに無垢材の耐力壁を組み合わせ、岩盤の杭基礎の上に長方形のボリュームを置いた。

これと形状、質感、色合いが対照的な展示棟は、時代を超越した大規模でユニークな形状、スケール、空間を構成。外観は頑丈な一本石のようで、現地の極限的な気象条件で浸食されたようなデザインだ。

展示棟へのアクセスは、来場者を小グループに分けるように、ガラス張りの渡り廊下を通る。そこから周囲が一望でき、南にそびえる地層、北に広がる壮観な景色、そして展示棟の外観を楽しめる。また、2つの棟を対照的にすることで、来場者はスバールバル諸島の永久凍土にある実際の貯蔵庫に行くような体験を味わうこともできる。なお、完成は2022年を予定しているそうだ。End