REPORT | 見本市・展示会
2019.11.01 17:34
レポート後編では展示会の全体テーマ「WORK!」をはじめとした、メゾン・エ・オブジェが発信する4つのメガトレンドについて、そのテーマとブースの模様をお伝えする。
2,200平米ものスペースに渡って展開された「WORK!」エリア。現代の働き方がよりノマド的になっていることを受けて、ディレクターのChantal Hamaideは働き方のトレンドをConnectivity(接続性)、 Comfort(快適さ)、Usage(使い方)、Mobility(可動性)の4ワードで整理。
「自宅でも仕事ができるようになった昨今。それはつまり、いずれの仕事場も自宅のような空間や快適さが求められているということ。また、より高いレベルの協働を実現するためのパーソナルなプロダクト、美しい道具も必要」と言う。
実際に各社のブースを見て回ってみると、1人ないし2~3人で使うことを想定された「モバイルボックス」とでもいうようなワークスペースの提案が多いことに気づく。パーソナルスペースが十分に備わっていないオフィスフロアにも、後付け的に設置が可能なサイズであるため、導入のイメージは湧きやすいだろう。
また、コンセプトストアのイメージで展開したという日用プロダクトのコーナーには、名作インテリアから新作のプロダクトまでさまざまなデザインが立ち並ぶ。数あるプロダクトの中でディレクターが推すものとして、TAKENAKAの弁当箱やNava Design(イタリア)のバックパック、Urbanears(フランス)のスピーカーなどが挙がっている。
「Art Living」エリアは、マス向け商材ではなく、アートピースのような洗練されたプロダクトによって、時代に左右されない豊かな感性を育む場が目指されている。構成は大きく3つに別れており、「Modern Living」ではバウハウスにも通じる幾何学的な造形による機能美を、「Sculptural Living」では意図的につくられたカオスによって引き出されるアートの佇まいを、「Soft Living」では落ち着いた色調で、ナチュラルな印象をベースにした空間を提案している。
キッチン、テーブルウェアを中心とした「Share」エリアでは、想像上のレストランという設定のもと、ミニマリズムとマキシマリズム両方の世界観を同時に表現することを目指しているという。
波のようなベールで曲線に沿って二分された空間。片方はミニマリズムで、日本のスタイルとブルータリズムにインスパイアされたオブジェクトがあり、芸術や工芸品にルーツを持つ。そしてもう片方は花飾りや金細工の装飾などが施されたマキシマリズムが表現されている。
開催前に来日もしたElizabeth Lericheによる「Care」エリア。現代のホスピタリティとウェルビーイングを多方面から追求するべく、テキスタイルプロダクトのセレクトを中心に、全く異なる4つの空間ができていた。
1. Simply Together(シンプリー・トゥギャザー)
シンプルさ、実用性、慎み深さをテーマにした空間。就寝スペースは日本のとある宿泊施設にインスパイアされてデザインがなされたという。
2. Mediterranean Craft(メディテラネアン・クラフト)
地中海をイメージとした、職人技と天然素材の融合に焦点を当てたもの。石、錆、テラコッタ、白黒など自然な色合いで構成されている。
3. Deep Nature(ディープ・ネイチャー)
農場と小屋の中間地点として、より人間と自然が密接に関わるライフスタイルの提案。
4. City Elegance(シティ・エレガンス)
都会のオアシスとも言えるような、洗練されていてかつ穏やかな空間の提案。洗練された表現を支えるのは優れた素材と職人技であることも併せて伝えている。
年に2回開催されるメゾン・エ・オブジェ・パリ。25周年を迎える次回2020年1月展の開催日は、1月17日(金)〜1月21日(火)に決まっている。是非今から参加を検討してみてはいかがだろうか。
メゾン・エ・オブジェ・パリ 2020年1月展
- 会期
- 2020年1月17日(金)〜21日(火)
- 会場
- パリ・ノール・ヴィルパント見本市会場
- 詳細
- https://www.maison-objet.com/en/paris
- 問い合わせ
- メゾン・エ・オブジェ日本総代理店/株式会社デアイ
Tel: 03-3409-9495
E-mail: mo-japon@deai-co.com