NEWS | ソーシャル
2019.10.29 16:13
米ナイキはこのほど、環境に対する新たな取り組みを発表した。今回は、ワシントンD.C.に拠点を置く非営利の環境保護団体「Ocean Conservancy」と協力して、北極海での輸送に関する新たな協定「Arctic Shipping Corporate Pledge」を創設した。
気候変動により北極海の氷が減少しつつある現在、以前は航行不可能だったこの海域を通ろうとする貨物輸送船がますます多くなっているという。
たしかにこのルートをとれば時間の短縮ができるが、北極圏を航行する船舶の増加は大きなリスクをもたらし、世界でもっとも脆弱な地域の1つに深刻な環境破壊を引き起こす恐れがあるのだ。
そこで両者はこの協定を設け、関係する企業に対して船舶の航行をとりやめるように呼びかけている。現在のところ、Bestseller、Columbia、Gap、H&M Group、Kering、Li&Fung、PVHといったメーカーをはじめ、海運会社のCMA CGM、Evergreen、Hapag-Lloyd、Mediterranean Shipping Companyが調印。
北極圏は「世界の冷蔵庫」とも呼ばれ、地球の気温調節には不可欠な存在だ。また、気候変動の影響をもっとも受けやすい地域でもあり、北極の気温は他の地域の2倍の速さで上昇している。こうした事態に危機感をもち、参加する企業は今後ますます増えることだろう。