歴史ある橋の下に自転車専用橋を建設
ルクセンブルク中心部にかかる「アドルフ橋」

ルクセンブルク中心部にかかる「アドルフ橋(Pont Adolphe)」は、1900年代の初頭に建設された全長153 m、幅18.70 m、高さ42 mを誇る石とコンクリートでできた橋である。

完成から100年以上経った2000年代に、この橋の改装工事が計画された。そのとき、自転車専用レーンの設置が提案されたが、そうなると自動車のレーンやもともと狭かった歩道にも著しい影響が出ることがわかった。

そこで、自転車専用橋をアドルフ橋の下に設けるという案が浮上。これに反対する人たちもいたようだが、2017年に無事完成した。

地元の建設設計事務所 Christian Bauer & Associés Architectesが手がけた。基本的には自転車専用だが、歩行者もその端を歩くことができるようだ。そして、2018年度の「EUROPEAN STEEL BRIDGE AWARD」にもノミネート。工事を最小限にとどめ、アドルフ橋の維持に努めたことが評価された。

▲Credit:cba architectes

ルクセンブルクの交通渋滞の緩和につながるだけでなく、歴史のある橋を従来とはまったく違った視点で楽しむこともできるだろう。End