NEWS | 建築
2019.01.09 14:07
フランスの建築設計事務所 Dominique Coulon & associésは、新しい建築「Schiltigheim(シルティカイム)」を公開した。
シルティカイムはフランス東部・バ=ラン県の第3の町で、ストラスブール近郊では最も人口密度が高い。ビール醸造とその関連産業で19世紀に栄えるが、20世紀後半には衰退、多くの工業用地は放置されてきた。
そこで精肉店の協同組合の再建が行われた。これは、この町の都市構造の再生を目的とした、自治体主導の取り組みの一環だという。以前は蒸留酒製造所があったが、市当局が引き取って、若い芸術家のための展示スペースや演劇を行う場所も設置。
この新しいアートセンターと屋内マルシェは、細長い区画と優れた例となるバナキュラー建築という、典型的なコンテクストのなかに位置づけられている。その現代的な側面を認めつつも、敷地内にある既存の建物の構造的な質や美的な質は際立っている。
こうして、「層化」という建築遺産の形成を特徴づけるプロセスに戻ることになる。張り出し窓の透明さは木造住宅の材料の不透明さとは対照的で、上方に張り出すことで、夏のバーでは日差しを避けることもできる。
この寛容な構成によって、この文化センターには人々が集まって話せる場所として機能。内部では、建築と遠近法により効果的な内部機能とモジュール化できる光がもたらされることで、さまざまな価値をもつ空間がつくられる。展示エリアは普遍的な理想を達成し、複数の用途をもちつつも、まとまったスペースとなっている。