1月のメゾン・エ・オブジェは「Je ne sais quoi(ジュ・ヌ・セ・コワ)」、
言葉で表現できないような上質さや魅力にフォーカスします

空間デザインとライフスタイルの見本市「メゾン・エ・オブジェ」が、2019年1月18日(金)から22日(火)まで、パリのノール・ヴィルパント見本市会場で開かれます。

見本市のなかでメゾン・エ・オブジェほどシーズンごとのテーマを鮮明に打ち出すところは少ないですが、それはトレンドの発信によって人々に新しい視点を提供することに力を入れているから。社会動向と消費トレンドを分析してテーマを提案しているのは、コンサルタントであるネリーロディ社のヴァンサン・グレゴワールです。

▲2018年9月展から、インテリアデザイナーや建築家に向けた「メゾン」ゾーンと、リテーラー向けの「オブジェ」ゾーンにホール構成を大幅に変更。これにより目的の異なるビジターがより効率的に会場を回ることが可能になった

▲もうひとつのメゾン・エ・オブジェと言える存在が、オンラインプラットフォーム「MOM」。会場に足を運ぶ前にサイトを通じて出展企業のプロダクトやブランド情報を知ることができる

次回の1月展で目を引くのは、「エクスキューズ・マイ・フレンチ!」というテーマ。伝統的な芸術やファッション、デザインをベースに新しいものを生み出すフランスのスタイルが、国際的に注目を集めているとグレゴワールは分析します。「世界が画一化し、すべてが均質になっていくなかで、例外的なものや差異的なものに人々は惹かれているのでしょう」。

その特徴は、「Je ne sais quoi(ジュ・ヌ・セ・コワ)」。直訳すると「私は、それが何かわかりません」という意味ですが、言葉でははっきりと表現できないような、上質かつ魅力的な人やものを表す言葉です。

▲トレンドムック2019年1月版

グレゴワールは、何が「Je ne sais quoi」たらしめているのかを解き明かすべく、ホール7のトレンドフォーラムで、新しいフランスのデザイントレンドを示すプロダクトの数々を展示します。その空間は、ヴェルサイユ宮殿の鏡の回廊からインスピレーションを受けた劇場的なものとなり、例えば、クラシックなシャンデリアとハイパーコンテンポラリーな照明がミックスされるという具合です。「そこには常に場違いで錯乱的な要素が含まれていて、矛盾をはらんだスタイルを生み出しています。それこそがJe ne sais quoiをつくり上げる本質的な要素なのです」とグレゴワールは説明します。

きっとトレンドフォーラムにはフランス政府の後押しを受けて、昨今注目を集める「フレンチテック」のプロダクトなどもお目見えするのではないでしょうか。

▲デザイナー・オブ・ザ・イヤーに輝き、1月展でフィーチャーされるドイツ人デザイナーのセバスチャン・ヘルクナー。現在、モローゾ、トーネットといった21のグローバルブランドとプロジェトを進行中 ©Gany Gerster

▲セバスチャン・ヘルクナーによる「Oda lamp for Pulpo」

もちろん、デザイナー・オブ・ザ・イヤーに輝いたドイツ人デザイナー、セバスチャン・ヘルクナーの展示も見逃せませんし、ネリ&フーやトム・ディクソンらが選出した「ライジング・タレンツ」は躍進著しい中国人デザイナー6組に注目しています。

2018年9月展でホール構成を大幅に変更し、ビジターからもエキシビターからも好評を得たメゾン・エ・オブジェ。1月展は、パリの現在のデザインシーンを映し出すような見どころ満載のシーズンになりそうです。End

▲「ライジング・タレンツ」として6組の中国人デザイナーを紹介。写真はMario Tsai

▲ホール6の「ライジング・タレンツ」より、Hongjie Yang

メゾン・エ・オブジェ 2019年1月展

会期
2019年1月18日(金)〜22日(火)
会場
パリ・ノール・ヴィルパント見本市会場
詳細
http://www.maison-objet.com/en
問い合わせ
メゾン・エ・オブジェ日本総代理店/株式会社デアイ
Tel: 03-3409-9495
E-mail: mo-japon@deai-co.com